タキウクシ その3

経験を積み重ねていくなかで、シラシに対してすばやく反応し、対応する能力をみがき、ウグヮンを入れる場所や手順、その方法を学んでいく。 しかしながら、シジタダシの対象となるのは、当人がよく知っている父や祖父といった近い世代の祖先ばかりでなく、はるか遠い世代の祖先にまでさかのぼることになるわけだから、ウグヮンを入れる場所は驚くほど多くなる。 一人前のユタになった後までも、請求などによるシラシを感じとったときは、タキウグヮンなどに出かけてゆくのがふつうである。 生涯をかけても、ウグヮンに終わりがないとい … 続きを読む

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タキウクシ その2

タキウクシで、万が一にもチヂに見合わないウグヮンを入れた場合や間違った手順で行ったとき、あるいはきちんとシジタダシをすませないまま行った場合は「カミにたおされる」として非常に恐れられる。 「カミにたおされる」とは、カミダーリの再発を意味し、ユタ稼業に就いている者でもその恐怖心は尋常ではないようだ。一から修行をやり直さなければならないし、その苦悩は他者では理解できないのだという。 タキウクシは、先輩ユタや経験を積んだウグヮンサーが同行して行うのがふつうだが、慣れてくるにしたがい、単独行動をとるよう … 続きを読む

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タキウクシ その1

ユタになるための免許皆伝までには、自分につながる祖先のシジ(血筋)のあやまりを正す「シジタダシ」につづいて「タキウクシ」と称されるウグヮンマーイの試練が待ち受けている。 タキウクシとは、祖先とかかわりのあったと考えられるカー(井泉)・御嶽・グスクなどの拝所や聖地を、カミや祖霊などの請求によるシラシ(知らせ)に従って、御願を入れることをいう。 御願を入れるべき拝所や聖地の数、回る順序等はそれぞれによって異なるとされている。それはしごくもっともなことで、それぞれに専用のチヂ(チヂガミ)が存在し、その … 続きを読む

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ウグヮンブトゥチ その2

カミダーリとなった者がおこなう「ウグヮンブトゥチ」は、自分につながる祖先のシジ(血筋)を正していく一環として実践するものである。 仏教で「願」(がん)といえば、「目標をたてて、それを達成しようと願い、誓う」ことをいう。 一般的におこなわれる「願掛け」(願立てとも)は、供物や絵馬などを奉納したり、人によっては御百度参りや断(た)ちもの(好きな飲食物をとらないこと)をして、神仏へ祈願する。 そして、その願いが叶えられたときには、お礼参りをする。これを「願果たす」(がんはたす)という。 沖縄の「ウグヮ … 続きを読む

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ウグヮンブトゥチ

年中行事の一つとしておこなわれる「ウグヮンブトゥチ」は、過去一年間に願い事をした神仏に感謝し、その願をほどく(請い下げる)という意味で使われる。一般家庭では12月24日(旧暦)がその実施日である。 ここでいう「ウグヮンブトゥチ」は、サーダカンマリやカミンチュ(神人)であった祖先が御願したところに、祖先ににかわってお礼の御願を入れることをいう。当然、祖先とかかわりのあった聖地や拝所などがその対象となる。 今まで見てきたように、シジ(血筋)の誤りは、カミダーリ状態に入った者の夢の中に登場する人物、カ … 続きを読む

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ユタになるための修行 その4

何らかの理由で供養されないまま放置された祖先の霊のことを「ウシクミグヮンス」という。 この場合、放置されたままの祖先の霊の眠る場所をさがし当て、遺骨を掘りおこして供養しなければならない。掘りおこした遺骨をきちんと供養し納骨した後、祖先の霊として祀ることになる。 また、祖先の霊が放置されていた場所(土地)は、死霊によってけがされている(フタバという)と考えられており、そこにもウグヮンを入れなければならない。 ただ、フタバの場所をさがし当てることは並大抵のことではない。10年がかりでさがし当てたとい … 続きを読む

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ユタになるための修行 その3

シジタダシの中で「ウシクミグヮンス」を解消し、「フタバウシクミ」を回復し、「ウグヮンブトゥチ」をおこなうことは、ユタになるための修行の中でも特に大切なことだとされている。 ウシクミグヮンスとは、本来、グヮンス(祖先の霊)として祀らなければならない祖先の霊を何らかの理由で祀っていない死者の霊のことをいう。 よく見られる例としては、嫡子(長男)であるのに、あやまって私生児扱いをうけて祖霊として祀られてないケースがある。 この場合は、本来の地位(嫡子)にもどして供養し、祖霊として祀らなければならない。 … 続きを読む

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ユタになるための修行 その2

ユタになるための修行の中でも、特に重要視されているのが「シジタダシ」と呼称される、自分につながる祖先の血筋を正すことである。 祖先の血筋関係を何世代にもわたってさかのぼり、それを確認して誤りがあればそれを正して祀ることがことのほか大切だとされているからである。ふつう三山時代(14世紀)までさかのぼってたどり、自分とのつながりを確認するとされている。 ただし、一般庶民にとって、自分の祖先をたどれるのはせいぜい6~7世代だとされていることから、それ以上は不可能だといえる。そこでカミダーリ状態の人は、 … 続きを読む

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ユタになるための修行 その1

カミダーリ状態に入ったことを確認し、心身の不調をカミや祖先の霊からの知らせ(シラシ)や催促(セーズク)だと認知すると、カミグトゥによってしか回復の見込みがないことを悟る。カミグトゥはほとんどの場合、ユタのハンジに従って実施される。そのためのユタ通いが始まり、複数のユタの判断をあおぐことになる。複数のユタの判断を照合することをクチアワセと称している。 クチアワセのためにとった複数のハンジ(判断)を手がかりにして、カミや祖霊からの知らせや催促がいかようなものなのかを確認していく。それと同時に、自分の … 続きを読む

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カミグトゥの始まり その2

簡単に「カミグトゥの始まり」とは言うものの、ことは容易なことではない。 カミダーリ状態になった瞬間から、当人の苦しみは始まり、まわりの者に多大な迷惑をかけるのがふつうだからだ。そのうえさらに、カミグトゥとなると払う犠牲は大きい。 主婦であれば家庭崩壊につながり、職についている者であれば仕事の継続が難しくなる。ユタに離婚した者が多く、キャリアを棄て去った者が多いのはそのことが原因している。 もちろんそればかりではない。ユタグトゥはかなりの出費がともなう。経済的な負担が追い打ちをかけることになる。そ … 続きを読む

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