古代より沖縄の人びとは、自然界には自然を超えた、人間界には人間の能力をはるかに超えた存在として神々を認めて、語りかけ、その声に耳を傾けてきた。
【1】人間界とは明らかに異なる神々
(1) 天上界のオボツ・カグラより天降る「天神(てんじん)」
俗に「ウティンヌカミ」とよばれる神である。オボツは神の存在するところを示し、カグラは神の座をあらわすと解されている。
(2) 海の彼方にあるとされる神郷のニライカナイより訪れる「海神(かいじん)」俗に「リューグ」あるいは「ニレーリューグ」などとよばれる神である。
ニライカナイより訪れて豊穣をもたらすと考えられている。
(3) 太陽に霊力(セジ)を求めてあがめ、山や森、地や水などの自然界に神の存在を認め、拝んできた。
人びとの暮らす人間界とは異なる世界から、それぞれの地域に期日を定めて訪れ、その地域社会や家々に豊穣や祝福をもたらしてくれる神々とする考え方。来訪神ともいい、本島の北部や八重山、宮古地方によく伝承されている。
沖縄人の考える 琉球の神々 その1
参考書籍:
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