沖縄人の考える 琉球の神々 その2

【2】人間界に存在し、人びとの生活と深くかかわりのある神

われわれが日常にくらしている生活空間にあって、人間社会と深くかかわりを持ちながら、生活を支えてくれる神々。

(1) 火の神(ヒヌカン)……もっとも身近に存在し、広く深く信仰されている神。さまざまな権能が付与されているが、特に家を守り、家族を加護してくれると信じられている。

(2) フールの神……豚便所に宿るとされる神で、屋敷内に存在する神々の中でもっとも権威があると神として信仰されている。屋敷の御願の際にも必ず拝まれるが、マブイグミの儀式の中で拝まれることもある。人間の生死にかかわる神としての信仰もある。

(3) 屋敷神(ヤシチガミ)……屋敷内に存在し、家・屋敷を守護し、盛運に導き、そこで暮らす人びとを加護してくれると信じられている。
ユシンヌカミ(四隅の神)、ジョウヌカミ(門の神)、ナカジンヌカミ(中陣の神)、フールヌカミ(豚便所の神)、カーヌカミ(井戸の神)など。

(4) イビヌカミ(聖地の神)……御嶽の中の神が降臨する至聖所をイビといい、祭祀的世界の中枢としての役割を果たす。村落祭祀では国家の安泰と五穀の豊穣を祈り、集落の発展を願う。

(5) シマモリヌカミ(村落守護神)……村落民を愛し、守護してくれると信じられている。

〔次回 8月8日|沖縄人の考える 琉球の神々 その3〕

参考書籍:

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