屋敷の神さま
家族が泣き笑い、ときに喜びにみたされ、ときに悲しみにつつまれながら日々の暮らしをいとなんでいる家・屋敷は、屋敷神とよばれている神々によって守られていると信じられている。 屋敷神のことを、本島では「ヤシチヌカミ」、宮古地方では「トゥクルカン」、八重山地方では「ヤシキヌシ」などとよんでいる。 屋敷を守ってくれる神々は、「ユシンヌカミ」・「ウジョウヌカミ」・「ナカジンヌカミ」・「フトゥあるいはフールヌカミ」・「カーヌカミ」とされている。 ●ユシンヌカミ 屋敷の四隅にいると信じられている。それぞれの屋敷の立地によって四隅の方角は異なってくるので、方位を示す神とはちがう。 四隅を守護するとされている。 ●ウジョウヌカミ 門口にいると信じられている。門から屋敷の中に悪い霊が入り込んでくるのを防いでくれる神である。いわば「門の神さま」ともいえる。 ●ナカジンヌカミ 上座敷(一番座)と門口の中間あたりの庭(地域によっては軒下とも)にいる神さまである。家族の願いを天の神にとりついでくれると信じられている。 ナカジンは天の中心に通じているとされ、そこを拝むのは天の神様へ報告する意味があると考えられている。 ●フドゥヌカミ(フールヌカミ) もともとは「フール」(豚便所)の神さまだが、近年は便所の神さまだとして信仰されている。 悪い霊を祓いのけ、家族のイチマブイ(生きた霊魂)を守ってくれる神さまである。 ●カーヌカミ 屋敷内にある井戸の神さまである。かっての沖縄ではほとんどの屋敷が井戸を設けていた。その井戸にも神が宿っていて、家・屋敷を守護してくれると信じられていた。それだから、カーヌカミも屋敷神として信仰されていたのである。 ヤシチヌウグヮン(屋敷の御願)とは、これらの屋敷の神々への感謝の祈りをささげることであり、家族の健康と子孫の繁栄を祈願することである。








