グングヮッチグニチとヒヌカン

あまがしにしょうぶの匙(葉っぱでも)を添えて、火の神、祖霊に供えて、邪気を払い家族の健康を祈願する。 あまがしは邪気を払ってくださる神さまへの供えもの、しょうぶの匙や葉っぱは邪気や悪疫をしりぞける力があると信じられている。 『琉球國由来記』にも「飴粕」(アマガシ)と菖蒲酒を先祖・カマド神に供える」とある。 中部では、しょうぶの葉を頭やお腹に巻いて邪気を払う風習や、頭や腰にしょうぶの葉を巻きつけて悪魔が来ないようにという祈願する行事が伝えられている。 本土では5月5日は「端午の節句」でしょうぶやよ … 続きを読む

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ハマウリとヒヌカン

旧暦の3月3日は「ハマウリ」(浜下り)の日である。かっては、村中の者が決められた浜辺に集い、ごちそうを食べた後で潮干狩りを楽しみ、手足を潮にぬらすことによって不浄を払い、健康を願ったものである。近年こうした行事の本質は徐々に忘れ去られてしまったようだ。 全島的にこの日にヨモギ入りの草もちをつくり、火の神・祖霊におそなえし、家族の無病息災を願う。 女の子の初めての浜下りには草もち、サングヮッチグヮーシ(3月菓子)、花イカなどを詰めた「サングヮッチウジュウ」(三月御重)あるいは「ハチウジュウ」(初御 … 続きを読む

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ニングヮッチウマチーとヒヌカン

「ウマチー」とは「御祭」という漢字をあてて表記することからも分かるように、麦と稲(地域によっては粟)にかかわる四つの祭り(祭祀)のことをいう。 四つの祭りは、2月の「麦穂祭」、3月の「麦大祭」、5月の「稲穂祭」、6月の「稲大際」(いずれも旧暦)のことである。 ニングヮッチウマチーは、麦穂祭のことで、かってはノロや神役たちがまだ熟していない麦の穂からつくったシルマシ(神酒)を持って集落の拝所を巡拝し、豊かな稔りを祈願する儀式の中核を成していた。 麦作の衰退によりニングヮッチウマチーも形骸化し、全く … 続きを読む

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ニングヮッチヒガンとヒヌカン

春分の日を中日として前後の一週間の間に営まれるのが「ニングヮッチヒガン」(春の彼岸)である。 仏前に供物をおそなえし、祖先を偲び、その霊をなぐさめ供養する祖先祭祀である。かってはお墓参りをする墓前祭として営まれていたが、現在はほとんどの地域で家庭内の行事として営まれている。 火の神に、酒、ウチャワキ、線香タヒラと2分の1をそなえ、家族みなが安らかで健康に暮らせるようにお守りくださいと祈願する。 仏前にはウチャトゥをたて、ムイグヮーシ(菓子の盛り合わせ)と果物の盛り合わせ一対、皿に盛りつけたウサン … 続きを読む

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ハチカソーグヮッチとヒヌカン

「ウワイソーグヮッチ」ともよばれていることからも分かるように、正月行事のしめくくりとして、正月飾りのすべてをかたずける。 ヒヌカン・仏だんに供物をそなえ、正月の終わりを告げるとともに一年間の無病息災と家の繁栄を祈願する。本島の中・南部を中心に北部や周辺離島の一部で見られる行事だが宮古・八重山地方ではほとんど見られない。 現在では、この日に催される那覇市辻の「ジュリうま」とよばれる祭りの方が注目され、本来のハチカソーグヮッチの意味も忘れ去られてしまったようだ。 首里ではターンムニー、読谷村ではミミ … 続きを読む

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ナンカヌシクとヒヌカン

旧暦の正月7日に「ナージューシー」とよばれる青葉入りの雑炊を火の神、仏だんにそなえ、一年間の家族の無病息災を祈願する行事である。「ナンカヌシーク」ともいう。 この日に正月飾りを取り払うという地域も多く見られるが、石川(現うるま市)のように家族全員で農作物が「なびく」(シーク)仕草をするという特別の儀式をおこなうところもある。 また、久米島の仲里では正月飾りをすべておろし、床の間に飾ってあった鏡もちを切って「ナンカヌスクジューシー」をつくり仏だんにそなえ、ヒヌカンに若松を飾るところもある。竹富島で … 続きを読む

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ハチウクシとヒヌカン その2

ハチウクシの日に「ハチウビィ」(初拝み)や「カーウガミ」(井泉拝み)をおこなう地域も多く見られる。 大里古堅では、この日に「カーウガミ」をおこなう。拝みの主たる目的は井泉に対する感謝とカラダジューサ(健康)を祈願することである。 それぞれの家庭では、はじめに火の神への拝みをおこない、井戸のある家では井戸の拝みをすませ、その後に産川や村ガーへの御願をおこなう。それが済むと自宅の床の神やトゥハシル、仏だんの順に「カタジューバク」をそなえて拝む。カタジューバクとはウサンミのみを盛りつけた重箱一重ねのこ … 続きを読む

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ハチウクシとヒヌカン

仕事始めの儀礼のことを「ハチウクシ」という。農村部では「ハチバル」(初原・初畑)とよばれる農事始め、漁村部では「フナウクシ」(船起し)とよばれる出漁始めの儀礼をおこなう。 正月(旧暦)の2~3日目の朝、はじめに火の神を拝み「ハチウクシ」をおこなう旨を告げ、ふだんから使っている農機具を庭先に出して酒・花米・塩をそなえて豊作と健康を祈願する。 祈願後に農機具に塩・酒を振りまく地域や、クワを3回振りおろすところもある。フナウクシの場合は、漁船に集まり、船中に祀った舟の守護神(船霊)に航海安全と豊漁を祈 … 続きを読む

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年中行事とヒヌカン ソーグヮッチその3

鏡餅はもともと沖縄の正月には備えないものだが、いつのころからか不明だがヒヌカンや床の間などに供える家が見られるようになった。 ヒヌカンにウブク(赤)三つと酒と花米・塩そしてワカミジを供え、線香(ヒラウコータヒラとする地域が主)をともして、今日が正月だということを報告して、これから家族の健康祈願を行う旨を告げ、別の盆に用意した酒・花米・塩を戸口に置いて、一年間の家族の健康と一家の繁栄を祈る。 そのほかに、「ヒヌカンの上天の日の拝み」を行う地域も多く見られる。 戸口より庭にむかって家族の健康を祈願す … 続きを読む

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年中行事とヒヌカン ソーグヮッチその2

火の神・仏だん・神棚(仏だんのみとする地域も)には「ウカリー」(御嘉利ーカジャイカビとも)と称される白・赤・黄の三色の飾り紙を敷き、その上に花米(カラミハナとも)を盛り、炭をこんぶで巻いたもの、ターンム(田芋)やクニブ(九年母)などをおそなえした。そして、花生けにはフチマ(正木)や若松、竹などをさした。そのほかに塩や酒、鏡餅などをそなえる地域もある。いずれも縁起ものとされる品々である。 特別のそなえものをする地域としては、ウカリーのかわりに盆に米を盛ったもの(大宜味村)や若松や竹のかわりに、菜の … 続きを読む

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