ニングヮッチウマチーとヒヌカン

ウマチー」とは「御祭」という漢字をあてて表記することからも分かるように、麦と稲(地域によっては粟)にかかわる四つの祭り(祭祀)のことをいう。

四つの祭りは、2月の「麦穂祭」、3月の「麦大祭」、5月の「稲穂祭」、6月の「稲大際」(いずれも旧暦)のことである。
ニングヮッチウマチーは、麦穂祭のことで、かってはノロや神役たちがまだ熟していない麦の穂からつくったシルマシ(神酒)を持って集落の拝所を巡拝し、豊かな稔りを祈願する儀式の中核を成していた。

麦作の衰退によりニングヮッチウマチーも形骸化し、全く行わない地域の方が多くなった。家庭行事としては消滅してしまい、儀式名だけがかろうじて残っているのが現状だろう。

〔次回 11月2日|ハマウリとヒヌカン〕

参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 絵でみる 御願365日

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