東御廻り その1 王権祭祀の二大祭場

琉球国の王権発祥の地として知られる浦添グスク(浦添市)の東端にある「上の山拝所」は、日の出を観測して作物の播種、植え付けの時期を知らしめるための重要な太陽儀礼である「ウティンダウガミ」(お日拝み)の祭場であったと推察されている。 その拝所から「ワカリジー」(別れ岩)を結ぶ直線上の辰の方角の洋上に久高島がある。浦添グスクから眺めると「太陽が穴」にもっとも近い神の島であることが実感できる。 つぎに、水性の巳の方角に目を転じてみると、与那原の聖地「ユナグハマ」(与那古浜)が見わたされる。この浜にニライ … 続きを読む

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首里森・真玉森 その3

(7)きやうのうちしぎやぢしきやだけの御いべ (8)きやうの内のそのいたしきやの御いべ (9)きやうのうちあがるいの御いべ ここまでが京の内にあった御嶽である。京の内のたたずまいについては「京の内は城内の高台にあった。広さは300坪くらいの一角で、石垣に囲まれ、その南西と西に面した石垣は特に高く、内側から見て3〜4m、城外の南側から見れば20mほどもあった。西側の面には高い石の拱門を設け、その外側には突出した岩があった」(『沖縄文化の遺宝』)と記されている。 (10)きやうの内の前御庭首里御いべ … 続きを読む

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首里森・真玉森 その2

三平等(みひら)のあむしられが司っていたと伝わる首里城の10御嶽(拝所)。 (1)赤田御紋あがるい嶽押明け森御いべ  御内原(ウーチバル)への入口の一つである美福門の手前にあった。 (2)御内原のみもの内のかわるめの御いべ  黄金御殿の後方にあった。 (3)御内原のまもの内うちあがりの御いべ  城内のもっとも奥まった寝廟殿の手前にあった。 (4)寄内のみやがもりの御いべ (5)寄内のかみぢやなみやてらの御いべ  寄内(よせうち)は右掖門のことを「寄内御門」ということから、この近くにあったのではと … 続きを読む

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首里森・真玉森

首里グスクには、グスク域内に10の御嶽があったことが知られている。10御嶽のうちの一つが男女ともに祈願する国家の最重要な拝所であった「首里森」である。もう一つが首里森とならびグスク内の御嶽の中でもっとも神聖視されたのが「真玉森」である。 古地図に描かれている首里森は、奉神門に向かって延びる浮き道をのばした線と広福門より下の御庭(ウナー)に出る線の交わる地点にある。方形に石垣で囲み、正面に口を開け、門の形をつくっている。このような御嶽の形状は首里や那覇に見られる。こうした古い形を残している典型的な … 続きを読む

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久高聖地散策

神の島と称されるだけあって、祖霊神アマミキョにかかわる聖地が点在している。上陸したアマミキョが住み着き、ここを拠点として島内を巡視したという伝承をもつカベール(神谷原)。 他の植物に優先する聖木クバが頂点を中心にして御嶽全体にひろがるさまは、まさに神宿る御嶽という趣きを今に伝えている。 ニライカナイより五穀の種子が流れ着いたとされる伊敷浜。まばゆく輝く白砂を切り込むようにゴツゴツとした岩礁が目立つ海岸である。 集落の北側には久高島の先祖とされる百名白樽とその娘の久高ノロが天地の神を祀り、島の繁栄 … 続きを読む

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フボー御嶽 その3

ウフウガミとは逆の方向に参道をたどると、20mほど進んだ地点で道は左に大きく折れる。その角は小広場様となっており、2個の小ぶりの石の香炉が配されている。 北側の香炉は「玉城グスク」への遥拝所、南側の香炉は首里城への遥拝所である。香炉の背後にはクバが競うように林立し、御嶽の名前の由来ともなったとされるクバ林が守護している。これらの神域を総称して「フボー御嶽」(クバウノタキとも)という。 神域をおおいつくす木々は豊かに枝葉をのばすが人を寄せつけない冷厳さはない。湿気をおびた落葉の上にやわらかな日射し … 続きを読む

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フボー御嶽 その2

森と森を分ける石グー道を30mほど分け入ると「大嶽」と記された木片が樹木の陰に建つ入口に至る。 枝と枝、葉と葉が重なり合い、まるで天蓋をなすかのような入口より参道を進むと、ほどなくして二手に分岐する。右手に回り込むように歩を進めると、円状にひらけた広場に出る。樹木が円形に取り囲む空間は60平方センチメートルほどもあろうか。中央は円形に芝草が生え、外周を示すかのように小石が配置され、その背後を聖木のマーニ(クロツグ)が縁取っている。 ここが外間ノロが管掌する久高島の年中行事の中心祭場の「ウフウガミ … 続きを読む

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フボー御嶽 その1

朝明けの清らな光りをあび、黄金色に包まれる島全体がさながら太陽が穴のような深い陰影となって洋上に浮かびあがるさまは、神の降臨地たるにふさわしい神性をおびる。 神の島として知られ、琉球の国づくりの神話にちなむ数多くの聖地、「フボー御嶽」・「カベール」・「伊敷浜」・「カタス」などが往古のたたずまいを今に見せ、古き祭祀行事を伝えてくれるのが、最強のパワースポットでもある久高島だ。 国王の久高島参詣にかかわる記事も古文書に散見される。また、冊封使録にも聞得大君が麦のミシキョマに渡海したとあり、1673年 … 続きを読む

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天つぎあまつぎの御嶽 その2

『中山世鑑』には、アマミクのつくった聖地の一つ「玉城アマツヅ」と見えている。 アマツヅは、アマンツー(アマミキョ、アマンチュー)の転訛ともいい、天次(てんつぎ)の対句であり空高くそびえる頂上の意味に理解されるという。また、雨粒(あまつづ)の命名から連想されるからであろうか、雨乞いの霊場としてもよく知られている。 王府時代には正月の「御願立て」、9月の「麦初種子(ムギハチダニ)、ミヤ種子」の祭祀には大勢頭部(おおせとべ)や勢頭(せと)を遣わし、1年おきの4月の稲ミシキョマには當職(あたいしょく)を … 続きを読む

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天つぎあまつぎの御嶽 その1

古代祭祀の祭場としてもよく知られているのが、玉城グスク内にある霊地「天つぎあまつぎの御嶽」である。 玉城グスクは。中山英祖王統4代目の玉城王(在位1314〜36年)が拠点とし、グスクの修築拡大を行ったという伝承をもつ古グスクの一つである。 グスクの象徴ともなっている石門と主郭に相当する一の曲輪の石積み、それにわずかばかりの遺構のみが見られるにすぎないが、今なお、古代祭祀の祭場として人びとの信仰が厚い「天つぎあまつぎの御嶽」のあるグスクとして訪れる人も多い。 腰をかがめて石門をくぐるとグスクの主郭 … 続きを読む

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