シーミー その2
シーミーだけでなく、墓に参るときには、まずはじめに「ヒジャイガミ」(墓地の守護神)への拝みから始めなければいけない。ヒジャイガミへの拝みはごあいさつということになろう。 重箱(カタシー)、ウチカビ、線香、酒をそなえて手を合わせる。その後、ウチカビをたきあげて酒を三滴かける。なお、ヒジャイガミにそなえた重箱は、ウチジヘイシとして用意した料理と一品ずつ取りかえる。 つぎに墓前に重箱(チュクン)、線香、ウチカビ、酒をそなえて祈る。 祖先への感謝の気持ちを伝え、最後に「みーまんてぃ さけぇらち うたびみ … 続きを読む
参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 トートーメーQ&A スーコーとトートーメー
シーミー その1
旧暦の3月(新暦の4月5日ころ)の節入りから明けにかけて営まれる祖先祭の一つである。最近は日曜日を利用して営まれる傾向が強く、この期になると沖縄自動車道も渋滞情報を流すほどだ。 中国から伝わり、王府官人層を中心に行っていた行事だが、全島域に広まり定着していった。 重箱料理などを持ち寄った一族が墓前に集い、祖先を供養し家族の健康を祈願する。 墓前でくり広げられるウサンデー風習は、沖縄の春の風物詩となっており、独得の墓型とともに本土の文化ではなかなか見られない習俗である。 なお、シーミーには、門中の … 続きを読む
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ジュウルクニチ
旧暦1月16日に行われる祖先祭の一つである。別名を「グソーヌショウグヮッチ」(後生の正月)と呼ぶように、死者の正月だとされている。 家族が集まり、仏だんにチャワキ料理を供え祖先をしのび供養する。全島的に営まれている行事だが、特に宮古・八重山地方では大事にされ盛大に営まれるようである。この日に島に帰省できない先島の人たちが、那覇の三重グスクで供物をそなえて郷里にむかって「ウトゥシ」(お通し遥拝)する風景は、那覇の風物詩の一つともなっている。 亡くなって初めて迎えるジュウルクニチーを「ミージュウルク … 続きを読む
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ニンチスーコーのウグヮンクトゥバ その2
ヒジャイヌカミニ ウニゲーウトイチヂサビラ チュウヌ ユカルヒヨリ マサルヒニ ニンチグトゥ(亡くなった人の名と年忌) ウニゲーウトイチヂ ウナカモチ デービル(家の主人の名) ウナサキニ(祈る人の名) ウクトゥバヌウヤギデービル チュウヌニンチグトゥヌ ウサギモチデービルウニゲーウトイチヂ サビタン フスクヤ ミデージン タレミショウチ ウニゲーデービル ヒジャイヌカミガナシー ウザキ ミパナ ナナシルヌアレンパナ ウビシジ マースマツリ ユマツリヌ シュウヌハナ ウサギティ ウチャヌク ウ … 続きを読む
ニンチスーコーのウグヮンクトゥバ その1
●仏前(ウヤグヮンス) チュウヌ ユカルヒヨリ カフゥナヒニ ニンチグトゥ(死者の名と年忌) ウグヮン ウトゥイチヂ ウナカモチ デービル(家の主人の名) ウナサキニ(祈る人) ウクトゥバヌ ウヤギデービル チュウヌ ニンチグトゥヌ ウサギモチデービル(供物の名まえ) ウニゲー ウトイチヂ サビラバ ウティンジー トゥシメショウチ ウキトイミショウチ フスクヤ ミデージンシ タレミショウチ ゲライ トゥシメショウチ カナイ トゥシメショウチ クヌ チネーヌ ウマムイヌ カミトゥナイミショウチ ウ … 続きを読む
サンジュウサンニンチ
ウワイスーコーともよばれるように、これが最後のスーコーということになる。 亡くなった者の霊がきよめられて、ウヤグヮンス(祖霊)の仲間入りを果たし、カミとなって、残されたクヮッウマガ(子孫)の守護霊となると信じられている。 朝一番にトートーメーにウチャトゥをあげてウートートゥした後、家族で墓参りをすることに変わりはない。 ●お墓参りに用意するもの ニジュウグニンチと同じだが、たきあげるウチカビは33枚とする地域が多い。 ●仏前にそなえるもの ニジュウグニンチと同じ。 【注】ウティンジカビ ・仏の絵 … 続きを読む
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ニジュウグニンチ
ウフスーコー(大焼香)となる。これまでの年忌法要と異なり、祝いの意味が込められるようになる。法要に祝いの意味が加味されるのは違和感があるのだが、沖縄では追善供養はワカスーコー(ジュウサンニンチ)までとする考え方があるからなのだろう。 仏前にそなえる供物も、ワカスーコーと種類は同じだが、ムイグヮーシなどに赤や桃色といった本来は祝い色とされる色菓子を混ぜる。 ワカスーコーが身内だけで営まれるのと違い、焼香客も多く盛大に行うのが一般的とされている。 朝一番に仏前にウチャトゥをたてて、その後に家族で墓参 … 続きを読む
サンニンチ、シチニンチ、ジュウサンニンチ
亡くなってから満3年目を「サンニンチ」、満6年目を「シチニンチ」、満12年目を「ジュウサンニンチ」と称して、法要を営む。 イヌイ(1年忌)からジュウサンインチ(13年忌)までを「ワカスーコー」とよんでいる。 仏ダンにウチャトウをあげた後、家族で墓参りをし、迎えの案内をかけるのは「イヌイ」と同じである。また仏前にそなえるお膳料理や焼香客に出す接待料理もイヌイと同じでよい。 ワカスーコーまでは、亡くなった人の追善(死者の冥福を祈ってく陽を積むこと)という意味が強調されるが、次回紹介する「ウフスーコー … 続きを読む
イヌイ(一年忌)
亡くなった翌年の命日に営まれるニンチスーコー(年忌法要)を沖縄では「イヌイ」という。 シンジュウクニチ以後、墓での生活に入ったと考えられている死者の霊を、「イヌイ」を営む旨を墓前で報告し、家へ招く。 イヌイからはじまってジュウサンニンチ(13年忌)までの計4回営まれるワカスーコーのときにおそなえする供物は、ナンカスーコーと同じ。 朝一番に仏ダンにウチャトゥをあげて、ウートートゥした後、家族でお墓参りをする。 ●お墓参りに用意するもの 花・水・酒・ウチャトゥ・ウチカビ・線香・ウチャワキ ※供物をお … 続きを読む