祟り

祖先の霊を慰め供養することを怠ったりすると、祖霊はそのことを気づかせるために何らかの「サワリ」(障り)をおこすとされるのが、沖縄の伝統的な考え方である。
その「サワリ」とよばれる障害こそ「祟り」だと解釈される。その観念を強烈に主張するのがユタであり、祖先供養をささえる中心的な思想だといえる。
このような「祟り」の思想は何も沖縄人だけの専売特許では決してない。日本本土でも「祟り」と「死者の魂を慰め、しずめる」という仕組みがあった。

祟りと判断された場合は、仏教式の加持祈祷によって死者の魂を鎮魂したというわけだ。沖縄では加持祈祷のかわりに「御願」を入れたということになる。その御願を主として指導したのがユタである。

現在でも、原因不明の体調不良、たて続けにおこる不幸などは祖霊に対する供養不足が原因とされ、ユタの指導のもとに各所の拝所を巡拝する人が多い。

〔次回 10月22日|異なるハンジ〕

参考書籍:

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