安須森散策 その4 チザラとイヘヤ

三連目と四連目の岩山が「チザラ」と「イヘヤ」の嶽である。 古老の伝えるところでは、チザラは女性の乳房に形が似るところから、イヘヤは頂部に立つとはるか洋上に伊平屋島がのぞめるところから命名されたのだという。 両御嶽ともに、地元辺戸の人びとが拝む習慣はないということだが、遠来の参詣者の中には最北端のイヘヤ嶽をめざす人も多いという。 琉球開びゃくの神は、いの一番に安須森を創成したという。 いかなる理由から、このような険阻なところにこうした異形の神降りの地を求めたのであろうか。 道の島づたいに琉球の地をめざした一族の存在を考えたときに、アマミキョ族の一団が頭に思い浮かぶ。 森厳を帯びてそびえ立つ安須森の岩山によび寄せられるように辺戸の地に上陸したにちがいない。 上陸した一族が宇座浜の地に居を求め、住みついた。 海上より導き招いてくれた安須森に限りない神性を感じ、聖なる地として崇めていったのは当然の成り行きであったろう。 そして、日毎、聖なる杜を眺めやり万感を込めて一族の繁栄と加護を祈ったのであろう。 〔次回 12月5日|安須森散策 クボウの御嶽〕

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