ユタの描くグソー(死後の世界)

亡くなった人の霊魂が最初に行きつくところとされているのが幽界である。
人の魂は亡くなった後、幽界でめざめるとされているが、死後3日間しかとどまらない霊もあれば、眠りつづけている霊もあり、ただよいさまよっている霊もあるという。
このように、幽界にはさまざまな霊が集まっており、いろいろな理由からいまだ成仏できない霊の集合体ともいえよう。それだからこそ、死者を弔うときも「成仏してください」と手を合わせる。 成仏とは、仏教用語で悟りを開いて仏陀になるということだが、死んでこの世に未練を残さず、仏になることを意味する。

ユタの世界では、自分が死んだことを理解できない霊、この世に執着しすぎる霊、この世に心残りのありすぎる霊などは、成仏できずに幽界にとどまり、迷いの中にあるとされている。
グソーの世界を信じ、死の意味を理解できる者は、現世においても悟りの境地に入りやすく、亡くなった後もこの世に執着しないで早く成仏でき、長く幽界にとどまることはないという。
それとは逆に、グソーの世界を否定し、カミや祖先の霊の存在を信じない者は、物欲にまみれ、この世への執着が強く、亡くなった後もなかなか成仏できずに、永く幽界にとどまるとされている。

〔次回 2月13日|シラシとサワリの発信〕

参考書籍:

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