おもしろ石敢當 その6 いっぷう変わった石敢當

石敢當の文字の上に横書きで「不動」の文字を刻んだものが中城村北浜にある。「不動」の意味は「不動明王」のことなのか「フール」の神のことなのかは不明だが、サンジンソウの指示で刻んだという。
北中城村熱田集落は一見して古い造立だと思える石造りの石敢當が数多く存在しているが、中でも「二人泰山」と石の頂部に刻み込まれた石敢當はいっぷう変わっている。石敢當が二人いるから、より強力だという。ここでは「石敢當」は人名だと伝承されているようだ。

沖縄市知花には「石當放」(いしとうほう)と刻み込まれた細粒砂岩の石碑がある。以前、屋敷外の角に立てられていたそうだが、盗難をおそれて庭園内に移動している。家人は「石敢當」にちがいないと強調するが、刻まれた文字は単純な誤字ということなのだろうか。造立年代ははっきりしないが、少なくとも百年以上前のものだという。

浦添市沢岻の民家に、細粒砂岩の表面になぞの図形のようなものが刻み込まれた石敢當がある。地元では古くから「イシガントウ」と認識されているようだが、図形は何をあらわしているのかは不明である。いぜんは小路のつき当りに立てられていたというから、魔よけとして造立したものであろう。

〔次回 4月16日|味わい深い石敢當〕

参考書籍:沖縄の魔よけとまじない

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