安産祈願

妊婦のいる家では、赤ちゃんが無事に生まれることを願って、妊婦やその夫は日常生活を送るうえで、さまざまな制約をうけた。それが各地に伝わる「妊婦およびその夫は……してはいけない」という禁忌である。 数ある中で、もっとも重い禁忌が「死の忌」にふれてはいけないということだ。 1 臨終に立ち会ってはいけない。 2 死者を見てはいけない。 3 葬列に加わってはいけない。 いずれも死の穢れが生まれてくる赤ちゃんに悪影響を及ぼすことを怖れたからであろう。 そのほかに、よく知られた禁忌としては「妊婦は馬の手綱をま … 続きを読む

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妊娠祈願

結婚してもなかなか子宝に恵まれない夫婦が、タンカーユーエーを終った親類の子どもをあずかって、自分の子のようにたいせつに育てると妊娠すると信じられていた。 あずかった子のことを「ミセクーガ」(見せ卵)ともいう。養鶏がなかなか産卵しないとき、ミセクーガといって巣の中に卵を置くと産卵するようになるという発想から生まれた習俗だろう。 子どもをあずかるときは、ヒヌカンに酒と花米、それにウバギー(産飯)をそなえ、ウチャトゥをたてて、線香をともして祈願する。同様に、トートーメーにも供物をそなえウートートゥする … 続きを読む

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タンカー占い

タンカー占いは、ふつう二番座とよばれる仏間で、タンカースージにはせ参じてくれた人びとの見守るなかでおこなわれる。 招来を占う小道具(そろばん、赤飯、本、金、ハサミ等々7品目)を並べておき、赤ちゃんが最初に手にする小道具によって、その子の招来を占う。男女によって並べる小道具にちがいも見られるようだ。 ちなみに、「そろばん」に手を出せば「サンミンジョージ」(計算のうまい人)となって商売人になり、本をとれば「ディキヤー」(勉強のよくできる)になって末は学者になれる、というわけだ。 女の子が「ハサミ」を … 続きを読む

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タンカーユーエー

満一歳の誕生日のことを沖縄では「タンカー」といい、この日にごちそうをつくって友人知人を招いて「スージ」(祝い)をする。 これを「タンカースージ」という。 はじめての子や長男の場合は盛大におこなうのは、何も沖縄に限ったことではないだろう。 祖母などが酒・花米・赤ウブク・ごちそうをヒヌカンに供え、その守護を願い、健やかな成長を祈願する風景は今でも見られるだろう。 それからトートーメーにも供物をそなえ、祖霊への報告とその加護を願う。その後にタンカースージに集まった人たちの見守る中で、生まれた子の将来を … 続きを読む

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ハチアッチー

出産を終った母親が、生まれた我が子を抱いてはじめて外出することを「ハチアッチー」という。 生まれた子のお披露目という意味であって、本土の初宮参りとは異なる。 ハチアッチーは、産後1ヵ月ほど経ってからおこなうのがふつうだが、地域によっては男の子は庚(かのえ=入りガニー)、女の子は辛(かのと=出ガニー)と日にちが決まっている。 いずれにしても、出かける前に母親は赤ちゃんを抱いてヒヌカンにむかって祈願する。そして出かける赤ちゃんの顔にナベやカマドのすすをつけながら、祖母が呪文を唱える。母親のふところや … 続きを読む

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マンサン(満散、満産)

今日ではすっかり消えた習俗になってしまった「ジールシンチ」(産室から退室する儀礼)をすませた日の夕方、お産の終わりを意味する「マンサン」とよばれる儀礼が待っていた。 マンサンにはヒヌカンとトートーメーへのウグヮンはかかせないものである。 まず、ヒヌカンに酒と花米、それにチャワキ程度のごちそうをそなえ、線香タヒラ半(12本・3本)をあげて、赤ちゃんが無事に生まれたことへの感謝と健康に育ちますようにという願いを込めて祈る。 ついで、トートーメーにも酒とごちそうをそなえ、線香タヒラ(12本)をあげて祈 … 続きを読む

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ヒヌカン・トートーメー前での儀礼

ナー(庭)での儀礼が終ると、祖母は赤ちゃんを抱いたまま台所にまわり、ヒヌカンに命名の報告をおこなう。 そのとき、祝いのためにたきあげた産飯をイビラー(しゃもじ)で3回かきまぜながら「ミーミーミー」と唱える。唱えることばの「ミーミーミー」は福をさずけるまじないだと信じられている。 ヒヌカンへの報告を済ませると、赤ちゃんを仏間で寝かせる。寝た赤ちゃんの上にカニやバッタをはわせる。 トートーメーには酒とウバギーをお供えし、線香をあげて祖先の霊に無事に生まれたことへの感謝のことばをささげ、ワラビナーを報 … 続きを読む

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「ナー(庭)での儀礼」

使う小道具は地域によって若干の違いが見られるが、その内容についてはほとんど差異はない。 ●用意する小道具 1 30cmくらいの桑の木の小枝でつくった弓。弓には赤い紙か紐をまきつける。 (枝の皮をはいで、半円形にそらしてつくる。はいだ皮は弦として使用する) 2 桑の木の小枝でつくった矢。矢にも赤い紙か紐をまきつける。 (竹でつくる地域もある) 3 ミージョーキ。円形の箕のこと。穀物などをふるい分けるときに使った農具。 4 シップグサ。和名「オヒシバ」のことで「チカラグサ」とも。根ごとひっこぬいたも … 続きを読む

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「ナージキ」

出産した夕方から7日目までの間に「ナージキ」とよばれる命名の儀礼がおこなわれる。いわゆる「命名式」だ。 ただ、ナージキの儀礼で命名される名まえは、ワラビナー(童名)で、戸籍に記載される本名ではない。 したがってワラビナーをつける風習がすたれてしまった現状では「ナージキ」の儀礼も沖縄社会から姿を消してしまった。 消えた習俗の一つになってしまったというわけだ。 ナージキの儀礼はふつう、祖母が中心になっておこなわれた。 供物をそなえた「ヒヌカン・トートーメー」の前でおこなわれる儀礼と、小道具を使って「 … 続きを読む

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「ウバギー」

ウバギーとは出産直後に炊く産飯のことである。 産飯を炊いて生まれた赤ちゃんのすこやかな成長を願うという風習は、沖縄だけのものではない。 沖縄では炊いたウバギーはトートーメー(祖霊)とヒヌカン(火の神)におそなえするのに対して、本土では産神(うぶがみ)におそなえするという違いはある。 ヒヌカンには赤ちゃんが無事生まれたことへの感謝と、新しく家族の一員として認めてもらうという意味を込めて祈る。トートーメーには、ウヤファーフジ(祖先)の霊力によって生まれた赤ちゃんが守護されることを求めて祈る。 本土の … 続きを読む

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