「ナー(庭)での儀礼」

使う小道具は地域によって若干の違いが見られるが、その内容についてはほとんど差異はない。

●用意する小道具
1 30cmくらいの桑の木の小枝でつくった弓。弓には赤い紙か紐をまきつける。
(枝の皮をはいで、半円形にそらしてつくる。はいだ皮は弦として使用する)
2 桑の木の小枝でつくった矢。矢にも赤い紙か紐をまきつける。
(竹でつくる地域もある)
3 ミージョーキ。円形の箕のこと。穀物などをふるい分けるときに使った農具。
4 シップグサ。和名「オヒシバ」のことで「チカラグサ」とも。根ごとひっこぬいたもの。
5 ヒーラ。農具用のヘラのこと。

ひっこ抜いたシップグサをヘラの上に乗せ、それを上からおおうようにミージョーキをななめに立てかけ、竹などのつっかい棒でおさえておく。
カカン(腰巻きの一種)を頭からかぶった祖母が赤ちゃんを抱いて庭に下りてきて、「○○○ナー チキヤビタンドー」(○○○という名をつけました)と報告し、赤子の成長をカミと祖霊に祈る。
それから、弓でミージョーキを三度射るまねをする。

※庭での儀礼は、「ウティン・ヂーチヌカミ」(天と地の神)に赤ちゃんの誕生を披露し、その加護を願う意味があるとされている。

〔次回 10月24日|ヒヌカン・トートーメー前での儀礼〕

参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 沖縄祝い事便利帳

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