各地の屋敷の御願 その2

中部地域では屋敷神として祠を造立している家は、私の知るかぎりでは見当らなかった。ただ、屋敷内から出た人骨を「フンシ」として祀っている家が数軒あった。

屋敷の御願は年に2〜3回とするところが多いが、2回あるいは1回だけとする家も見られ、多様である。
供物は他域とほとんど違いはなく、拝む場所もほぼ同じである。拝む順序も一部の例外を除けば変わりはない。

ちょっと風変わりな風習としては「妊婦のいる家では、ユシンとジョウを拝む際に白紙は供えない」(西原町)というのがある。白紙をそなえるのは「トゥドゥミーン」(とどめる)という意味があり、「ジョウサシ」(鍵をかけて閉ざす)ということになるからだという。

また「2月の御願は、当主や長男の生まれ年はさける」(中城)という。その意味は不明である。墓や家の普請の際には家主の生まれ年はさけるというのは一般的な風習だが、屋敷の御願と関連するという事例は耳にしたことがない。

屋敷の御願で、屋敷の加護と家族の健康を願うのは共通している。

〔次回 9月3日|各地の屋敷の御願 その3〕

参考書籍:琉球風水 福を招く家づくり墓づくり 絵でみる 御願365日 三山とグスク

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