斉場御嶽 その2 御門から大庫理

参道を進むと、ほどなくして石段に至る。敷き詰められた石は抜け落ちが目立ち歴史の重みを感じさせていたが、近年の修復により往昔の姿をとりもどしている。

2畳敷きほどの石畳の奥に、複数の香炉が置かれた拝所がある。ここが御嶽の入口にあたる「御門口」(ウジョウグチ)である。
もともとは、この御門口より先に展開されている御嶽内へは男子禁制であった。それだから、嶽内の「六御前」とよばれる拝所は、ここで拝む習わしとなっていた。

男子禁制が厳守されていた頃は、山仕事などでやむを得ず嶽内に入る男性は、ここで帯を解いて左合わせの女装にしたという。
御門口より嶽内に通じる参道は、幅1mほどの石畳道である。両わきを縁取る樹木をぬうように蛇行しながらそれぞれの拝所にむかって延びている。

御門口よりゆるやかな上り坂となった参道を100mほども進むと、中庭を思わせるような広場に至る。
広場の左手には巨岩を背にして、くぼみに拝壇を設けた拝所が見える。嶽内の拝所の中心をなすところで「大庫理」(ウフグーイ)とよばれている。聞得大君の「御新下り」の儀式のおこなわれたところである。

〔次回 9月10日|斉場御嶽 その3 寄満、三庫理〕

参考書籍:沖縄の拝所 沖縄の聖地

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