フボー御嶽 その2

森と森を分ける石グー道を30mほど分け入ると「大嶽」と記された木片が樹木の陰に建つ入口に至る。
枝と枝、葉と葉が重なり合い、まるで天蓋をなすかのような入口より参道を進むと、ほどなくして二手に分岐する。右手に回り込むように歩を進めると、円状にひらけた広場に出る。樹木が円形に取り囲む空間は60平方センチメートルほどもあろうか。中央は円形に芝草が生え、外周を示すかのように小石が配置され、その背後を聖木のマーニ(クロツグ)が縁取っている。

ここが外間ノロが管掌する久高島の年中行事の中心祭場の「ウフウガミ」である。ウフウガミの北側には小ぶりの香炉が安置されたイビがある。祭祀のときは外間・久高の両ノロがイビ前に座し、他の神女たちは両ノロを起点にして年齢順に車座になるという。イザイホーのときクバの葉を敷いて祈願するところでもあり、聖地の中の聖地とされる場所である。

〔次回 10月7日|フボー御嶽 その3〕

参考書籍:沖縄の拝所 沖縄の聖地

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