ウフウガミとは逆の方向に参道をたどると、20mほど進んだ地点で道は左に大きく折れる。その角は小広場様となっており、2個の小ぶりの石の香炉が配されている。
北側の香炉は「玉城グスク」への遥拝所、南側の香炉は首里城への遥拝所である。香炉の背後にはクバが競うように林立し、御嶽の名前の由来ともなったとされるクバ林が守護している。これらの神域を総称して「フボー御嶽」(クバウノタキとも)という。
神域をおおいつくす木々は豊かに枝葉をのばすが人を寄せつけない冷厳さはない。湿気をおびた落葉の上にやわらかな日射しが揺れ、ときおり聞こえてくる飛び立つ小鳥の羽音に梢をゆらして流れ去る風の音がまじる。
クバの葉を敷き、神に近づき、神と対話する神女の姿を思うとき、クバの木を伝って降臨すると信じられている神の気配にみたされるのであろう。
〔次回 12月2日|久高聖地散策〕
フボー御嶽 その3
スポンサーリンク