天つぎあまつぎの御嶽 その2

中山世鑑』には、アマミクのつくった聖地の一つ「玉城アマツヅ」と見えている。
アマツヅは、アマンツー(アマミキョ、アマンチュー)の転訛ともいい、天次(てんつぎ)の対句であり空高くそびえる頂上の意味に理解されるという。また、雨粒(あまつづ)の命名から連想されるからであろうか、雨乞いの霊場としてもよく知られている。

王府時代には正月の「御願立て」、9月の「麦初種子(ムギハチダニ)、ミヤ種子」の祭祀には大勢頭部(おおせとべ)や勢頭(せと)を遣わし、1年おきの4月の稲ミシキョマには當職(あたいしょく)を遣わして祈願を行っていることが『琉球國由来記』に記されている。

1673年(尚貞王代)までは、国王、聞得大君の参詣があったことが記録されており、また雨乞いの祈願には国王も参詣する習わしであったとされている。
地元では、現在でもグスク内にある殿(トゥン)で朝願(アサガン)と夕願(ユウガン)の儀式が行われている。
なお、東御廻り(アガリウマーイ)の拝所の一つともなっている。

〔次回 6月17日|フボー御嶽 その1〕

参考書籍:沖縄の拝所 沖縄の聖地

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