ニービチとヒヌカン その2

サキムイで話がうまくまとまると、つぎなる儀礼「クファンムイ」へすすむ。クファンムイとは、嫁方の親戚への挨拶や披露のことで、婚姻が認知されることを意味する。今でいうところの「結納」ということになろう。

男家から女家へごちそうを持参して出向き、盃事ののちに酒宴をはる。クファンムイをすませた男女は、周囲から夫婦とみなされた。その日より、昼間は別にして夜ともなれば男性が女性宅に通う。それが「通い婚」と称されるもので、女性宅に通うことを「妻問い」という。

ただ士族層ではこうした通い婚の風習はなく、「ムクイリ」から「ユミンケー」という儀礼を経てニービチとなる。
ムクイリは、当日の適当な時刻(満潮時がよい)にムーク(婿)、ムークゾーイ(付き添い)、ビンシー持ちの三人で女家へ行く。女家に付くと、ムークゾーイの介添えで花嫁の両親に献杯し、挨拶する。その後、ヒヌカンに線香(タヒラー12本)を立てて、今日から当家の婿になったことを告げ、「どうぞ見守ってください」と唱えて祈願する。

〔次回 1月13日|ニービチとヒヌカン その3〕

参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 絵でみる 御願365日

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