ニービチとヒヌカン

今日的な結婚観からすると「ニービチ」は、単純に結婚式および披露宴ということになるだろう。ところが伝統的な沖縄の婚礼儀式では、「ニービチ」の前に「サキムイ」、あるいは「クファンムイ」という儀礼があった。

格式および伝統にこだわる家では、今でもこれらの儀礼に相当するようなことが両家の間で執り行われている。
「サキムイ」は婚約を意味する儀礼のことで、その酒宴を「サキムイスージ」という。サキムイには、男性の家から「ニンゴーザキ」(二合酒)、茶、お茶受けなどを持参する。

沖縄では儀礼用の酒は「ニンゴーザキ」とする風潮があり、そのようなことからサキムイのことを「ニンゴームイ」とも称する。 お茶受けとしては、クバンアーギ(塩味てんぷら)、アギドゥフ(揚げどうふ)、かまぼこ、カスティラ、豚肉の煮しめなどが一般的であったようだ。
サキムイによって、現在でいう「婚約」が成立したことになる。

〔次回 11月18日|ニービチとヒヌカン その2〕

参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 絵でみる 御願365日

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