チヂガミ その2
それぞれのユタが専用のチヂガミを持つわけだから、ある者は「リューグシン」(竜宮神)、またある者は「十二支の神」あるいは「御嶽の神」だったとしても別段不思議なことではない。 いずれにしても専用のチヂガミを持つユタが独自の「ハンジ」(判示)を出すことはある意味では当然のことなのである。また、ユタが組織としてまとまらず、個人営業に徹し、自由で形にとらわれない「ユタグトゥ」ができるのもこのような背景があるからだといえよう。 ハンジの際に「自分のチヂガミがこういっている」とか、「自分のチヂガミがこうさせる」という文言が出てくるのも、専用のチヂガミのなせる術だということになる。 カミダーリ状態のときにのりうつったチヂの力をかりて霊的能力を開発し、カミや祖先の霊と交流可能になるともされているから、チヂの力は絶大なものだし、ユタは生涯、チヂガミにつかえなければならないとされる理由も得心できる。 〔次回 3月31日|チヂガミの正体〕