貝は、家・屋敷に邪悪なものの侵入を防ぐムンヌキムンとして比較的多くの地方で利用されてきたようだが、近年はごく狭い範囲でしか見ることが出来ない。こうした習俗も衰退の一途をたどっているようだ。

伊計島や浜比嘉島の集落の路地をぶらり散策していると、民家の門や屋敷囲いの石垣、ブロック塀の上などに貝の殻を置いた家が目に止まる。
無造作にポンと置かれたものから、セメントなどでしっかり塗り固めたものまで、その設置の仕方は一様ではない。また、石垣の上にズラリと並べた家もあれば、屋敷の四隅に1個ずつ置いた家、屋敷木の根元に置いた家などもあり、その数においてもこれまた一様ではない。
数は少ないものの、ひもなどでていねいに結んだ貝を玄関に吊した家、シーサーとともにヒンプンに吊した家も見られる。

〔次回 4月14日|貝 その2〕

参考書籍:沖縄の魔よけとまじない

カテゴリー: 石敢當とシーサー |

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