貝 その2

貝は地元で「アジケー」と呼称されるシャコガイが多いのだが、6本のトゲが特徴的な「スイジガイ」(水字貝)も見られる。特に玄関に吊した貝はほとんどがスイジガイである。

スイジガイは畜舎の入口やフール(豚便所)の軒先などに吊していたようだが、屋敷内から畜舎が姿を消し、フールもなくなってしまった現在では目にすることもなくなってしまった。畜舎に吊したのは家畜の疫病よけのため、フールに吊したのはフールの神が魔を祓いのける力があると信じられたからであろう。

貝を魔よけとした習俗は全島的に見られたようだが、現在では主として本島の東海岸に面した地域、宮古・八重山地方だけに見られるようになった。

〔次回 6月9日|貝 その3〕

参考書籍:沖縄の魔よけとまじない

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