薮薩御嶽 その2

イビ(聖所)の前方を縁取るのは切り立った崖で、崖下のヤハシバンタと呼称されるところは「仲村渠クルク」とよばれる崖葬古墓群である。現在でもなお、枯骨が散乱している。神名の「タマガイクマガイ」は、崖葬古墓群からことある毎に何らかの予兆を示す「タマガイ」(火の玉)があがったところから命名されたと伝えられている。

歴代の国王も、旧暦の4月の「稲のミシキョマ」(初穂儀礼)に聞得大君らを帯同して薮薩の浦原に入り、脚下の「浜川ヤハラヅカサ」、「潮花司」(スーパナツカサ)、「浜川受水・走水」(ウキンジュ・ハインジュ)、「アイハンタ嶽」とともに、ここ薮薩の御嶽も巡拝したとされている。

〔次回 2月25日|天つぎあまづぎの御嶽〕

参考書籍:沖縄の拝所 沖縄の聖地

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