味わい深い石敢當 その1

名護市汀間の一軒の民家に、堂々たる石づくりの古い石敢當が二基立てられている。
ともに、石の頭の部分を角丸に仕上げた高さ1m強もあるりっぱなものだ。上に「泰山」と横書きに刻み、その下にケイ線を引き、正面中央に「石敢當」と彫り刻まれている。

同じ汀間の民家の四辻の角に、一見無字の石敢當と見える石碑が立っている。
付近では「無字の石敢當」だろうと言われてきたようだが、どうやら風化がすすんで、文字の確認が難しいほど摩滅したのが原因であろう。
もう一つ、汀間集落の路傍にやや変形のサンゴ石灰岩の石敢當がある。造立年代は不明だが、かなり古いものだという。
正面中央に刻まれた大きな肉太の文字は迫力満点で、自然石のもつ呪力の強さを感じさせる重量感あふれる石敢當である。

北中城熱田集落は、古い石敢當が数多く見られるところとしてよく知られている。
散策すると「道のつき当たるところに石敢當を立てて魔よけとする」という昔から伝わる習俗の典型が見られる。

〔次回 6月11日|味わい深い石敢當 その2〕

参考書籍:沖縄の魔よけとまじない

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