トートーメー継承のルールとタブー その2

もっとも理想的なトートーメーの継承を実現するために定められたのが「四つのルール」である。
そのルールを破ることは、理想とされるトートーメー継承から逸脱することであり、そのためにタブーとして禁じられているわけだ。 四つの「ルール」とは、以下に掲げる決まりである。

 トートーメーは代々嫡男によって継承されるのがもっとも好ましく、嫡男をさしおいて次・三男以下の者に継がせてはいけない。
 将来、嫁ぎ先の祖先として祀られることが期待される娘に、生家のトートーメーを継がせてはいけない。
 不幸にも継承者の途絶えたトートーメーの継承は、父方の血筋をひく者(男の兄弟の子かいとこの子、いずれも男子)の中から選ばなければならず、血筋をひかない者を継承者としてはいけない。
 次・三男以下の者は、将来分家し、亡くなったときはそれぞれの嫡男が新しく位牌を仕立ててまつるべきで、生家のトートーメーにまつってはいけない。

トートーメーは代々嫡男によって継承され、一世代につき一組の夫婦のみをまつるという沖縄の理想的なトートーメー継承は、上に掲げた四つのルールを守ることによって実現できるとされているわけだ。
しかし、現実は理想通りにいかないのは当然のことであり、ルール通りにトートーメーの継承ができないときにどのような方法手段があるのかということが、実はトートーメー問題の本質であるといえなくもない。

〔次回 4月30日|ユタとのかかわり〕

参考書籍:

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