日本社会は家(名)の継承、沖縄社会はトートーメー(位牌)の継承がお家の一大事。
トートーメーを通して、祖先の霊をなぐさめ、その加護を願うのは主婦のたいせつな役目である。
うれしいとき、悲しいとき、祝い事があったとき、困ったとき、とにもかくにも主婦たちはトートーメーの前で手をすり合わせて一心に祈る。
沖縄のほとんどの人が「信仰は?」ときかれて、一瞬とまどったのち「祖先崇拝」、いわゆる「トートーメー信仰」と答えるゆえんでもある。
正当な「シービチ」(継承者)に恵まれた家庭は安泰だが、そうでない家庭は不安につつまれる。シービチさがしの騒動にまきこまれるからだ。
シービチの正当性を担保するために、四つの厳しいルールが定められている。ルールを破ってシービチを決めることは許されない。ルール破りは「サワリ」(障り)をおこす原因となると信じられているからだ。
お家騒動にもなりかねない「シービチさがし」の実例をまじえながら、「トートーメー信仰」とは何なのかを問いかけていく。
トートーメー(位牌)を知ろう
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