よく指摘されるトートーメー問題というのは、とどのつまりは「イーフェーの継承と財産相続」にかかわってくるようだ。
イーフェーの継承には、沖縄特有のルールがあり、トートーメーには財産はつきものだとする考え方がある。このようなルールや考え方に固執しているかぎりは、沖縄社会からトートーメー問題もなくならないといえる。
本土のように、位牌はだれが祀ってもよく、その継承と財産相続はきりはなして考えるという風潮が出てくれば、トートーメー問題もある程度解消されることになるだろう。
しかし、沖縄社会では今日でもなお、トートーメー問題で頭を痛める人たちの多くがユタ買いに走っているのが現実である。トートーメー問題を手っ取り早く解決できるのはユタだけだという、根強いユタ信仰があるからだろう。
その一方で、ユタ買いをする人のなかには、自分の考えを正当化するための都合のよい手段として、ユタのハンジを求めるというケースもあるようだ。
そのため、複数のユタからハンジを取って照らし合わせ、もっとも都合のよいハンジを採用するという例も少なくないようだ。ユタもむやみやたらとルールを押しつけ、タブーを戒めるばかりでなく、ユタコーヤーのかかえる事情を斟酌してハンジを出すこともあるという。
〔次回 5月7日|イーフェーの継承と財産の相続〕
ユタとのかかわり
参考書籍:
カテゴリー: ユタグトゥ(ユタ稼業)
タグ: イーフェー, トートーメー
スポンサーリンク