ユタのハンジ その1
「ハンジ」とは、判示と表記し、問題点を明らかにし、解決方法を提示することをいう。ユタ買いすることを「ハンジを取りに行く」などと表現する。 依頼者がまわりを取り囲む中で、ユタが祭だんの前にぬかずき、チヂガミに祈ることからハンジが開始される。 もちろん、ハンジを出す前にユタは、依頼者の家族構成を確認し、祖先の系譜を一つ一つときほぐしてたどる作業をおこなう。とは言っても、依頼者の多くはユタにリードされるままに確認していくだけである。 これらの作業もほかの依頼者の見守るなかですすめられるので、個々のプライバシーに配慮するようなことはほとんどない。それだから、ユタコーヤーの多くは、より遠隔地のユタを買う。知り合いと顔を合わせたくないという心理が働くワケだ。 祖先系譜をたどる作業を通して、グヮンスグトゥにかかわるさまざまな問題点が明らかになっていく。 具体的に言えば、四代目のタチクチの次男バラ(腹)のイーフェーが正しく継承されていない、六代目のウヤファーフジの子に供養されていない者がいる、などといった不都合があぶり出されていく。 ところが、ほとんど知識のない祖先にまつわる問題点を指摘されても、当の依頼者は当惑することしきりで、ピンとくる話ではない。それよりも何よりもこのようなことが、依頼者の今現在かかえている問題とどう結びつくのか見当もつかない、というのが正直なところだろう。 〔次回 3月12日|ユタのハンジ その2〕








