タグ別アーカイブ: トートーメー
シジタダシ その5
シジタダシが必要かどうかを判断するのは、ほとんどの場合はユタなどの霊能者である。一般の人が世代をさかのぼってトートーメーが正しくまつられているかどうかを検証するのは不可能だからだ。そこで勢い、ユタなどの霊能者の霊力を頼ることになる。 シジタダシが必要だと判断されたトートーメーは、その誤りを正し本来の姿にもどしてまつることになる。そのためには、必要な場所にシジタダシを判断した霊能者の指示通り、御願を入れなければならない。 当然その際の御願を司祭するのも、霊能者当人かあるいはその指名を受けたウグヮン … 続きを読む
ユタとのかかわり
よく指摘されるトートーメー問題というのは、とどのつまりは「イーフェーの継承と財産相続」にかかわってくるようだ。 イーフェーの継承には、沖縄特有のルールがあり、トートーメーには財産はつきものだとする考え方がある。このようなルールや考え方に固執しているかぎりは、沖縄社会からトートーメー問題もなくならないといえる。 本土のように、位牌はだれが祀ってもよく、その継承と財産相続はきりはなして考えるという風潮が出てくれば、トートーメー問題もある程度解消されることになるだろう。 しかし、沖縄社会では今日でもな … 続きを読む
参考書籍:
トートーメー継承のルールとタブー その2
もっとも理想的なトートーメーの継承を実現するために定められたのが「四つのルール」である。 そのルールを破ることは、理想とされるトートーメー継承から逸脱することであり、そのためにタブーとして禁じられているわけだ。 四つの「ルール」とは、以下に掲げる決まりである。 1 トートーメーは代々嫡男によって継承されるのがもっとも好ましく、嫡男をさしおいて次・三男以下の者に継がせてはいけない。 2 将来、嫁ぎ先の祖先として祀られることが期待される娘に、生家のトートーメーを継がせてはいけない。 3 不幸にも継承 … 続きを読む
参考書籍:
子どものいない場合のトートーメーの継承
結婚はしたけれども子どもができない場合、当然のことながらトートーメーの継承者がいないということになる。 このままの状態では家は断絶し、トートーメーは祀る人がいないままヒジュルイフーフェー(冷たい位牌)となってしまう。これは沖縄では最も忌み嫌われている。 もっとも望ましいのは早いうちに養取り(養子を取ること)して継承者を決めておくことだ。 ただし、この場合はこれまで述べてきた四つのルールが守られている事が条件となる。つまり、養取りにも一定の条件が付されるということだ。 養子は父方の血筋をひく男子に … 続きを読む
参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 トートーメーQ&A スーコーとトートーメー 絵でみる 御願365日
拝み方
順を追って述べていく。前回にも書いたが、拝む順序は地域性があり、一様ではないが、ここではもっとも一般的な順序に従うことにする。 1ヒヌカン 供物をそなえ(前回参照)、線香タヒラと二分の一(12本・3本)をあげて、屋敷の御願をする旨を報告することから始める。 屋敷の神々への取りつぎをお願いし、合わせて家・屋敷の加護を祈願する。 シルカビ(3枚)を燃やし、酒をたらして消す。 2トートーメー 同様に供物をそなえ、線香タヒラ(12本)をあげて、家族の健康と子孫繁栄を祈願する。白紙を燃やし、酒をたらして消 … 続きを読む
四つのルール
サワリ(障り)のない「トートーメー(位牌)の継承」を実現するために考え出されたのが「四つのルール」である。 その一つが「嫡男(ちゃくなん)による継承」だ。 トートーメーは代々長男によって継承されるのが理想とされている。だから、仏ダンに安置されている位牌立てには、代々長男夫婦のみがまつられているのが、もっともよいトートーメーとされているわけだ。 したがって、いかなる理由があっても、長男をさしおいて二男・三男がトートーメーを継承するのはタブー(チャッチウシクミとして)とされてきた。しかも、その場合の … 続きを読む
トートーメー(位牌)を知ろう
日本社会は家(名)の継承、沖縄社会はトートーメー(位牌)の継承がお家の一大事。 トートーメーを通して、祖先の霊をなぐさめ、その加護を願うのは主婦のたいせつな役目である。 うれしいとき、悲しいとき、祝い事があったとき、困ったとき、とにもかくにも主婦たちはトートーメーの前で手をすり合わせて一心に祈る。 沖縄のほとんどの人が「信仰は?」ときかれて、一瞬とまどったのち「祖先崇拝」、いわゆる「トートーメー信仰」と答えるゆえんでもある。 正当な「シービチ」(継承者)に恵まれた家庭は安泰だが、そうでない家庭は … 続きを読む