ユタ通いをする人 その2

リスクを怖れてユタ買いをためらう人も、回りから強く求められることもあって、簡単にユタ買いをやめられない事情をかかえている者が多い。 意に添わないままユタ買いを重ねているうちに、いつの間にかユタ社会に通じた人となり、ユタに頼るようになっていくわけだ。 いずれにしても、ユタ買いを続けているうちに、自分の思いがよく通じるユタに出会うと、今度は一転してユタを勧める立場になってしまう。そして経験者として初心者やユタ買いに不慣れな者に同行するようになる。 ここまでくると、ユタとのやりとりも上手くなり、出され … 続きを読む

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ユタ通いをする人 その1

ユタ買いの体験は当然のこと、ユタ社会に対する知識を深めていく。 よく当たるユタとそうでもないユタ、評判の良し悪し、それにユタにもそれぞれ得手、不得手があること等々である。特に、ユタにはそれぞれ得意とする分野(バンという)があって、自分が判断(ハンジ)をとる内容によってユタを選択するようになる。 ここまでくると、初心者とは別の意味でユタに対する畏怖心や恐怖心が生まれてくる。その一方で、ユタ買いのリスクも認知できるようになってくる。 ユタ買いにかかる費用や労力をはじめ、判断によって示された問題解決の … 続きを読む

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ユタコーヤーになる人 その2

初心者のユタ買いには経験者の同伴が必要だという。同伴した経験者の分かりやすい説明、必要に応じたアドバイスがなければ、ユタのハンジを正しく解釈することはできないということだ。 経験者を伴っているとはいえ、当事者としてユタと接触することはユタ及びユタ社会を知る絶好の機会となる。そして、2回、3回と買いを重ねていくうちに、ユタへの処し方を身につけていくと同時に、じょじょにユタ買いに対する抵抗感がうすらいでいく。 やがて、ユタクトゥバを理解できるようになり、ユタの言うところのカンをとる要領も覚え、ハンジ … 続きを読む

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ユタコーヤーになる人 その1

ほとんどが、回りの人に勧められるままに、母や姑、それに親戚のおばさんなどの身内に連れられてユタヌヤー(ユタの家)を訪ねて、ユタコーヤーの第一歩を踏み出すようだ。 従って、はじめから単独でユタヌヤーを訪ねる人はめったに見られない。それだから、ユタ買いの経験のある者が同伴するということになる。 ユタにどう対応していいか分からないということもあるのだが、初心者がいきなりユタクトゥバ(特有の言い回し)を耳にしても、その真意を理解することが困難だからである。 それに、ユタ社会の観念(カミや祖霊に対する考え … 続きを読む

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ユタコーヤー きっかけその2

前回紹介した動機のほかに、夫婦間のトラブルや子どもの非行、受験などといった日常生活のこまごましたことも、主婦のユタ買いのきっかけとなっているようだ。 通常、こういう場合は、知人や友人あるいは公的機関が相談窓口となって対応していると思うのだが、沖縄では手っ取り早い解決策を見つけるためにユタ買いをするという傾向が見られる。 ユタコーヤーがユタに期待するのは、あくまでも現世ご利益であって、宗教的な観念を求めているのではない。 ユタの出すハンジが、依頼者の今現在かかえている問題に明確な答えを出してくれる … 続きを読む

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ユタコーヤー きっかけその1

ユタの中には「結婚した女性の7〜8割はユタ買いの経験がある」と豪語する者もいる。 その通りだとすれば、沖縄の主婦の大多数がユタコーヤーということになる。 実際はそれほどではないにしても、何らかの形でユタと関わりをもった経験のある主婦は、想像をはるかに超えて多いということになる。 ユタ買いを公言してはばからない人はごくごく少数のはずだから、実数を把握することは不可能といえる。それでも、自分の身の回りで理由はどうであれ、ユタとの関わりをもった親戚縁者は多いと思う。 はじめてユタヌヤーを訪れる年齢は、 … 続きを読む

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ユタの行う屋敷の御願 その3

拝む順序は、ヒヌカン→トートーメー→カー→ユシン→ジョウ→ナカジン→トートーメー。 ヒヌカンでは、ビンシー(花米・洗米・酒)とウチャヌク3飾り(3段重ねの3組)、シルカビ、15本ウコー(12本・3本)をそなえる。線香は火をともす。 トートーメーでは、ウチャヌクを一飾り減らしてそなえる。線香は火をともす。 カーでは、その他(ビンシー、ウチャヌク3飾り)に重箱2重ね(もち重とおかず重)をそなえる。線香は火をともす。 ユシンはカーと同じ供物をそなえ、それぞれにシルカビ1枚ずつを焚きあげる。 ジョウでは … 続きを読む

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ユタの行う屋敷の御願 その2

屋敷の荒れというのは、土地や屋敷から霊障(サワリ)がおこり、それがヨゴされる(汚れる)ことをいう。 その判断は、言うまでもないことだが、ユタのハンジによって出される。屋敷の御願をすることによって、土地や屋敷が清められ、霊の怒りがしずめられる(霊障が取り除かれる)というわけだ。 家族の運勢のことを「フシ」(フシウンとも)というが、ユタのハンジによって、フシウンが衰退(おとろえ弱くなること)していると出た場合は、フシウンを強化する御願の一つとして「屋敷の御願」が行われる。 また沖縄では古くから、夢は … 続きを読む

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ユタの行う屋敷の御願 その1

家・屋敷を守護してくれる屋敷の神々への感謝と家族の健康を祈願するのが「屋敷の御願」である。 年2回(旧暦の2月と8月)の彼岸の入りより良日(りょうび)を選んで行われるのが通例で、もっとも多い。ただ地域によっては回数はまちまちで、偏差も大きい。 こうした定期に行われる屋敷の御願は、一般的には家庭の主婦が司祭するのだが、ユタ(ウグヮンサー)などの霊能者が司祭することも珍しいことではない。 ユタが司祭する典型的な例としては、家族の病気や思いがけない災難がユタによって「屋敷の荒れ」とか「フシウンの衰弱」 … 続きを読む

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イタコについて

霊魂をよび寄せてその意見を伝え、告げるみこのことで、東北では「イタコ」とよんでいる。 明治の半ばごろまで、死んだ人の霊をよび出す(死口という)みこは、日本各地に存在していたとされている。 盲目であることが条件で、師匠について修行し、神憑け(かみずけ)という儀式を行って一人前になったといわれる。何やら沖縄のユタの修行と似ているような気もする。 現在は、青森県の畏れ(おそれざん)のイタコが全国的に知られている。 目に見えない霊魂の思いを、みこの口を通して聞くことを「口寄せ」(くちよせ)というのだが、 … 続きを読む

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