ユタコーヤー きっかけその2

前回紹介した動機のほかに、夫婦間のトラブルや子どもの非行、受験などといった日常生活のこまごましたことも、主婦のユタ買いのきっかけとなっているようだ。
通常、こういう場合は、知人や友人あるいは公的機関が相談窓口となって対応していると思うのだが、沖縄では手っ取り早い解決策を見つけるためにユタ買いをするという傾向が見られる。

ユタコーヤーがユタに期待するのは、あくまでも現世ご利益であって、宗教的な観念を求めているのではない。
ユタの出すハンジが、依頼者の今現在かかえている問題に明確な答えを出してくれることを期待しているわけだ。

それだから、目の前で吉凶を判断し、良日を選んでくれるユタのハンジに救いを求めようとするユタコーヤーが依然として多いわけだ。
ユタを買うというのは、夢を買うということばに通じる」と民俗学者の谷川健一は述べているが、確かに一理はあるのだが、ユタコーヤーの思いはもっと切実である。

〔次回 8月6日|ユタコーヤーになる人 その1〕

参考書籍:

カテゴリー: ユタグトゥ(ユタ稼業) |

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