第2回目 「ユタヌヤー」(ユタの家)
世事に長けて、雑多な知識を有し、何事にも対処できる人のことを「よろず屋」といい、漢字で「万屋」と書く。 ユタコーヤー(依頼者)にとって、ユタヌヤーは一種のよろず屋的な存在でもあると同時に、最後の救いを求めてかけ込むいわば「かけこみ寺」のようなものでもある。 それだから、ユタコーヤーのこのような心理を巧みに利用し、金儲けに走るあくどいユタも存在し、その言動に惑わされてとんでもないトラブルに巻き込まれる事例が散見されるわけだ。 言うまでもないことだが、ユタグトゥには代価(お金)が支払われる。いわばれっきとした経済活動であり、ユタ稼業といわれる所以でもある。稼業であればまがいもの、ニセ者が出てきても不思議ではない。まがいもの、ニセ者ユタのことをユタマンチャーなどと蔑称するが、見分けることはなかなか難しい。 ともあれ、ユタヌヤーには看板もないし、依頼者を求める宣伝文句一つないのがふつうである。 チヂガミを祀った質素な祭だんが安置されているだけの飾り気のない殺風景な感じがするのがほとんどである。 こうした一室で、祭だんの前に座ったユタをとり囲むように依頼者が陣取り、先に来た依頼者とユタのやり取りを見守りながら、自分の順番を辛抱強く待つ。これが、ふつうに見られるユタヌヤーの風景である。 〔次回 9月26日|ユタの得意とする「バン」(分野)について〕








