シジタダシとウグヮンマーイ

シジ」とは血のつながり、すなわち血筋のことだが、ここで言うシジとは血のつながりのある人、いわゆる血族全体をさしているのではない。
周辺離島を含む沖縄本島では、祖先のイーフェーを継承し、祖先のイーフェーといっしょに祀られる資格を有する者は「シジのある者」に限られるとする観念が極めて強い。 「シジのある者」とは「父方の血筋をひく男子」という絶対条件がつく。
従って祖先のイーフェーの継承に関するかぎりにおいては女子は絶対条件を欠いていることになる。

ユタの判断(ハンジ)によって「シジタダシ」をしなければならないとされるケースとして最も一般的なものは、「資格のないものが祖先のイーフェーを継承し祀られている場合」、「本来祀られるべき者が何らかの理由によって祀られていない場合」などである。
シジタダシは、依頼者の祖先系譜をさかのぼってたどることから始まる。その作業を通して、シジの誤り(先ほどの事例)などを見つけ出していくわけだ。

依頼者がほとんど知らない遠い祖先にまつわる事柄や、ユタの言うところのウサチユー(神代、原始)まで話がおよぶことも珍しいことではないようだ。

〔次回 5月21日|シジタダシとウグヮンマーイ その2〕

参考書籍:

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