沖縄では、野鳥などが家の中に入るのは不吉とされ「厄入り」とされた。野鳥が入るということは災厄の前ぶれであり、人の死をも暗示させるものだとして怖れられた。
このようなときは、ほぼ全島的に自宅の見えない場所や海岸近くで外泊し、難を去らしめてから家にもどった。
浦添市の事例を紹介すると、自分の家から見えなくて且つ海の方角にある他人の家に一晩宿泊してくる。自宅を出るときにカマドの灰をきれいにかきならし、その上に「カマンタ」(なべのふた)をかぶせておく。帰宅したとき、灰がそのままだと厄は晴れ、灰に鳥などの足跡がある場合は厄は晴れておらず、もう一泊したという。
また石川市では、帰宅した後でヒヌカンの3個の石を取りかえたという。
カマドの灰といいヒヌカンの3個の石といい、厄よけとヒヌカンのかかわりを示す事例といえよう。
〔次回 10月22日|子どもの誕生とヒヌカン〕
厄よけとヒヌカン その1
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