結婚などを機会に分家して一家を構えるとき、生家(親元)のヒヌカンから灰などを分けて新しく仕立て(ヒヌカンを)て家の守り神とする。現在でも、ごくふつうに見られる習俗の一つである。
生家のヒヌカンに線香(12本・3本)をともし、分家する旨を報告する。線香の火をいったん消して、ウコールの灰を指先で3回つまみ取る。
新しく仕立てたヒヌカンのご神体となる「ウコール」に生家より分けた灰をまぜ、線香に再び火をつけて、分家先にお迎えしたことをしらせる。その後、生家より持ってきたみそと塩を新しいヒヌカンにおそなえし、その加護を祈願(みーす・マースの祈願)する。
分家先に持ち込むのはみそと塩が一般的だが、塩としょう油、あるいは灰のみとする地域もあり、一様ではない。
〔次回 5月5日|死とヒヌカン〕
分家とヒヌカン
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