瀬長島のクヮッナシガマ

全島に拝所が点在する神の島、信仰の島としてよく知られていたのが瀬長島である。残念ながら今次大戦を経て、戦後は米軍の弾薬庫として使用されていたこともあって、島の地形も大きく変わってしまった。
このような事情から島にあった拝所を移転して合祀したのがアカサチモーにつくられた「瀬長拝所」である。神々とともに「子宝の神」も勧請したとされ、瀬長拝所に祈願したら子宝に恵まれたという話も伝わっている。

島入口より左回りに行くと、ほどなくして「子宝岩」と刻銘された石碑が建立されているところに至る。そこはかって、石灰岩が隆起してできた大岩があり、上下二カ所に穴が開いていた。そこがもともとの「瀬長島のクヮッナシガマ」である。

男の子が欲しければ上の穴に、女の子が欲しければ下の穴に小石を投げ入れ、願をかけるのが古くからの習わしとされていたという。石碑に刻まれた琉歌の意味も伝えられた風習を詠み込んだものである。石碑は近年建立されたものである。

〔次回 8月12日|鏡水のミーヌシン〕

参考書籍:沖縄の聖地

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