タタリとシラシ

カミダーリは一つの試練だと覚悟を決めて受け入れ、将来のユタ稼業をスムーズに実践するための修行だと認知するようになる。そうなると、カミダーリは能動的に引き起こすことは不可能で、あくまでもカミから選ばれた者のみに起こる症状だということが徐々に理解されるようになる。いわば、サーダカンマリの者のもつ宿命だということになる。

カミダーリのことを「神の祟り」だと解釈する人もいるように、カミや祖霊に対するウグヮンブスク(御願不足)、あるいは十分に礼を尽していないために与えられる「罰」だとする考え方もある。これが「タタリ」とよばれる正体である。 このような場合には、ウグヮングトゥ(拝みごと)を通して祖霊を十分に供養し、シジ(父系血筋)をきちんと正せばカミダーリ状態から脱け出せると信じられている。

カミダーリ状態から脱け出した後は、だれもが直ちにユタになるのではなく、ウグヮンサーやナカムチとよばれるユタとユタコーヤーの仲介役にとどまるものが多いとされている。 もう一つ、カミダーリはカミや祖霊によって選ばれた者であることを知らせ、自覚させるための試練だとする考え方もある。

〔次回 10月14日|タタリとシラシ その2〕

参考書籍:琉球風水 福を招く家づくり墓づくり

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