三大民間信仰の一つ

台所の壁にはられた「火の用心」の沖縄版と考えられては大いに困る。
火の神さまと考える人もいるようだが、「fire」(火)ではなく、「sun」(太陽)である。
太陽神こそ「火の神」のもとの姿であり、沖縄の家庭でまつられている「ヒヌカン」は太陽神の化身ということになる。

チィタチ・ジュウグニチ(旧暦の1日と15日)には、家庭の主婦はヒヌカンの拝みを欠かさないが、おりおりの行事のさいにも、何をさておいてもヒヌカンに手を合わすことを忘れない。
ミーマンティ ウタビミソーリ ウートートゥー」という、ひびきのよい美しいことばからも「ヒヌカン」が家を守護し、家族を見守る神さまとして信仰されてきたことがわかる。

ウコー(線香)の本数、ウサギムン(供えもの)の品数、ウグヮンクトゥバも拝みの内容によって異なり、地域によっても差がある。
「ヒヌカン」は「トートーメー」にとってかわられた消えゆく信仰だという人もいるが、ところがどっこい、沖縄の三大信仰の一つとして、今なお人々の心を離さない。

参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 絵でみる 御願365日

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