ユタと死者への儀礼
人が亡くなると火葬に付して、葬式には僧侶を招いて読経をあげてもらうことは、今の沖縄ではごく当り前のこととなった。 しかし一昔前の沖縄、特に地方では葬式に僧侶を招くことはめったに見られないことであった。 人の死に寺の僧侶がかかわるようになったのは、歴史的に見ればごくごく最近のことだといえる。 古くは、死者の埋葬やその供養にかかわっていたのは、ノロを筆頭とする神人であった。 ところが尚真王代になってノロの制度化がすすむようになると、死の穢れを忌み嫌うようになったノロはもっぱら神事を担当するようになる。 こうして死者の儀礼とかかわることを拒否したノロにかわって、死者と生者との橋渡しをおこない、両者をとりなす役目を担うようになったのがユタだというのである。 古来から沖縄では、死者と生者の関係はとても大切にされ、密接なものだとされてきた。 死者の霊は生者の運命をも左右する力があると信じられてきた。こうした考え方は現代沖縄人にもDNAとして受け継がれ、死者に対する儀礼の中に、ユタ社会の観念が色濃く投影されている原因ともなっているのである。 〔次回 12月12日|ユタ発生の謎その1〕








