カミグトゥの始まり その1

心身の不調がつづき、医者に診てもらっても原因不明、症状の改善もみられない。当人の苦痛は一向におさまらず、異常な行動が改善される気配さえない。 こうなると、家族やまわりのものはたまりかねてユタにかかることになる。俗にいう「ユタ通い」である。言うまでもないが、一人や二人のユタでは満足する結果は得られない。 「ムンナレーシーガー イチュン」とか、「ハンジをとりに行く」が口ぐせとなり、方々のユタを訪ね歩くことになる。もちろんのこと、時間もお金もかかる。 それぞれのユタの出す「ハンジ」(判示・判断)を「ヒ … 続きを読む

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チヂガミの正体 その2

言うまでもないことだが、カミダーリ状態になった本人がはじめから将来自分のチヂガミになることを認識するわけではない。 カミダーリ期間中に積み重ねる試練や修行、不思議な体験そしてユタのハンジなどを通して徐々にチヂガミの存在を意識するようになり、やがてさぐり当てていくことになる。 白髪の老人は遠い祖先、かんざしの女性はノロ、貴人は琉球国王あるいは十二支の神であったりするわけだ。そして、それらの人物やカミが将来ユタになろうとする者のチヂガミとなって生涯をささえてくれると信じられている。 それだから、カミ … 続きを読む

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チヂガミの正体 その1

白髪で長いあごひげの老人像は、チヂガミの典型として描かれることが多いが、実際は白装束を身にまとった男女、かんざしを挿した老婦人、身分の高い貴人などさまざまな人物がチヂガミとなっているようだ。また竜宮神、観世音菩薩、十二支の神など霊能者がカミと総称する神仏もチヂガミとなる場合があるという。 チヂガミは霊能者の守護霊(守護神)として夢の中や幻覚としてあらわれるとされている。カミダーリの状態に入った者の夢の中にあらわれ「シラシ」を行ったり、一緒に天に昇ったり、外国を訪ねたりするという幻覚を体験するとい … 続きを読む

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チヂガミ その2

それぞれのユタが専用のチヂガミを持つわけだから、ある者は「リューグシン」(竜宮神)、またある者は「十二支の神」あるいは「御嶽の神」だったとしても別段不思議なことではない。 いずれにしても専用のチヂガミを持つユタが独自の「ハンジ」(判示)を出すことはある意味では当然のことなのである。また、ユタが組織としてまとまらず、個人営業に徹し、自由で形にとらわれない「ユタグトゥ」ができるのもこのような背景があるからだといえよう。 ハンジの際に「自分のチヂガミがこういっている」とか、「自分のチヂガミがこうさせる … 続きを読む

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チヂガミ

自分が仕え、導いてくれると信じられている守護霊(守護神)のことを、ユタ社会では「チヂガミ」(チヂブンとも)とよんでいる。 ユタになっていくプロセスで、厳しい試練に打ち克ち、修行に耐える大きなささえとなるのが、カミダーリの際に乗り移り(憑依)、縁を結ぶとされるカミや祖先の霊、いわゆる「チヂ」の存在だといわれている。 試練や修行を積み重ねていくなかで、生涯自分の守護霊となってくれるチヂと出会い、さぐり当てていくことになる。 チヂガミとなるカミや祖先の霊はユタそれぞれによってちがうとされていることから … 続きを読む

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タタリとシラシ その2

サーダカンマリであることに気づかない者、気づいてもそのことを否定したり、あるいは気づかないふりをしている者に知らせるためにカミダーリ状態にするというわけだ。それがカミや祖霊などからの「シラシ」とよばれるケースである。 当初は否定したり気づかないふりをしても、ヒチアテのためにユタ通いをしているうちについには観念してカミダーリであることを認めてしまう。そして、次なる行動として、自分に「シラシグトゥ」をしたカミや祖霊の正体をつきとめようとする。 このカミや祖霊こそが、当人にとって生涯の守護霊(守護神) … 続きを読む

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タタリとシラシ

カミダーリは一つの試練だと覚悟を決めて受け入れ、将来のユタ稼業をスムーズに実践するための修行だと認知するようになる。そうなると、カミダーリは能動的に引き起こすことは不可能で、あくまでもカミから選ばれた者のみに起こる症状だということが徐々に理解されるようになる。いわば、サーダカンマリの者のもつ宿命だということになる。 カミダーリのことを「神の祟り」だと解釈する人もいるように、カミや祖霊に対するウグヮンブスク(御願不足)、あるいは十分に礼を尽していないために与えられる「罰」だとする考え方もある。これ … 続きを読む

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ヒチアテ

ヒチアテとは複数のユタのハンジ(判断)を照らし合わせ、その整合性を確認する事。カミダーリ状態になった者は、多くの場合その原因を究明するために盛んにユタ通いをする。しかも、複数のユタのハンジを取るのは当り前のことだと考えられている。ユタそれぞれによって異なるハンジを出すのだから、当然といえば当然であろう。 とは言っても、最初のユタがピタリと原因をさぐり当て、カミダーリ状態を抜け出す妙案を出してくれればそれにこしたことはないのだが、そんなことは宝クジに当たるようなもので、めったにない。それだから、ほ … 続きを読む

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カミダーリ その2

「引きこもり状態になる」・「幻視・幻聴に悩まされる」・「突発的な意識の混濁」・「独り言、彷徨」・「意味不明の言動」等々。 このような異常な心理状態に陥るばかりでなく、腰痛や頭痛、吐き気、出血などといった身体の不調まできたすようになる。そして、食欲不振がつづき徐々に痩せ細っていく。そのうえやっかいなことには、これらの症状は医者にかかっても原因はつきとめられない。従って、医学では治療方法の見つからない「病い」ということになる。 このようなカミダーリ状態になることは、ユタになるための一度は通らなければ … 続きを読む

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カミダーリ

サーダカンマリの者が精神的に不安定な状態のときに、カミの霊が憑依し、はたから見ると狂人(フリムン)にも似たような行動をとる状態を「カミダーリ」とよんでいる。それだから、一般人にはカミダーリと狂人を見分けることはとても困難だといえよう。 あてもなく彷徨し、死者の霊をみたとか、死者にあったなどとあり得ないことを口走ったりすると、通常は気がふれた者(ターリングヮ)と見なされる。ところが、それが「カミグトゥ」(神々のこと)にかかわる場合は「カミダーリ」と判断されるケースが出てくるわけだ。さりながら、「カ … 続きを読む

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