首里城歓会門の左手、守礼門の後方にある石門と周辺一帯の森を「園比屋武御嶽」という。御嶽の面影は戦渦の中で潰えたが、石門だけが復元されて今に残る。
園比屋武御嶽は国王が城外に出るときに、帰路往路の安泰を祈願した拝所だが、国王の東方巡拝もここを起点とした。それに習って、東御廻りもここを出発点とする門中が多い。また、聞得大君の就任式である「御新下り」儀式の際も、この御嶽をお参りしている。
以上のことからも、王府行事や国家的祭祀と密着した重要な御嶽であったことが理解できよう。
なお、祭神は、尚円王(第二尚氏王統の開祖)ゆかりの伊平屋の「田の上のそのひやぶ」を勧請したとされている。
〔次回 6月1日|与那原親川〕
園比屋武御嶽
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