タグ別アーカイブ: ヒヌカン
沖縄人の考える 琉球の神々 その2
【2】人間界に存在し、人びとの生活と深くかかわりのある神 われわれが日常にくらしている生活空間にあって、人間社会と深くかかわりを持ちながら、生活を支えてくれる神々。 (1) 火の神(ヒヌカン)……もっとも身近に存在し、広く深く信仰されている神。さまざまな権能が付与されているが、特に家を守り、家族を加護してくれると信じられている。 (2) フールの神……豚便所に宿るとされる神で、屋敷内に存在する神々の中でもっとも権威があると神として信仰されている。屋敷の御願の際にも必ず拝まれるが、マブイグミの儀式 … 続きを読む
参考書籍:
屋敷の御願 その2
拝むところと順序も地域的な偏差が見られ一様ではないが、一般的な事例を紹介する。 まず、「ヒヌカン」の拝みから始める。屋敷の御願を行う旨を告げ、とどこおりなく御願をさせていただくようお願いする。ついで、祖霊に祈願する。(祖霊への拝みのない地域が多い) それが終わると「ユシンヌカミ」への祈願となる。ユシンヌカミは北(ニヌファ)を起点として反時計回りとするのがもっとも多く、ついで東(ウヌファ)を起点とする地域がつづく。 いずれの回り方でもよいわけで、地域に伝わっている方法で行うのがよいだろう。 ユシ … 続きを読む
ナンカヌシクとヒヌカン
旧暦の正月7日に「ナージューシー」とよばれる青葉入りの雑炊を火の神、仏だんにそなえ、一年間の家族の無病息災を祈願する行事である。「ナンカヌシーク」ともいう。 この日に正月飾りを取り払うという地域も多く見られるが、石川(現うるま市)のように家族全員で農作物が「なびく」(シーク)仕草をするという特別の儀式をおこなうところもある。 また、久米島の仲里では正月飾りをすべておろし、床の間に飾ってあった鏡もちを切って「ナンカヌスクジューシー」をつくり仏だんにそなえ、ヒヌカンに若松を飾るところもある。竹富島で … 続きを読む
参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 絵でみる 御願365日
ハチウクシとヒヌカン その2
ハチウクシの日に「ハチウビィ」(初拝み)や「カーウガミ」(井泉拝み)をおこなう地域も多く見られる。 大里古堅では、この日に「カーウガミ」をおこなう。拝みの主たる目的は井泉に対する感謝とカラダジューサ(健康)を祈願することである。 それぞれの家庭では、はじめに火の神への拝みをおこない、井戸のある家では井戸の拝みをすませ、その後に産川や村ガーへの御願をおこなう。それが済むと自宅の床の神やトゥハシル、仏だんの順に「カタジューバク」をそなえて拝む。カタジューバクとはウサンミのみを盛りつけた重箱一重ねのこ … 続きを読む
拝み方
順を追って述べていく。前回にも書いたが、拝む順序は地域性があり、一様ではないが、ここではもっとも一般的な順序に従うことにする。 1ヒヌカン 供物をそなえ(前回参照)、線香タヒラと二分の一(12本・3本)をあげて、屋敷の御願をする旨を報告することから始める。 屋敷の神々への取りつぎをお願いし、合わせて家・屋敷の加護を祈願する。 シルカビ(3枚)を燃やし、酒をたらして消す。 2トートーメー 同様に供物をそなえ、線香タヒラ(12本)をあげて、家族の健康と子孫繁栄を祈願する。白紙を燃やし、酒をたらして消 … 続きを読む
ヒヌカンの拝み方
拝み方といえば仰々しく聞こえるが、ふつうの家庭の主婦が拝む場合、特別の作法はない。自分のことばで心よりの祈りをささげる、という一言に尽きるだろう。 神人(カミンチュ)や霊能者(ユタなど)の使う「グイス」(宣〔の〕だてごと)をまねることは全くない。 家族に喜ばしいことがあったとき、祝いごとがあったとき、沖縄の主婦はさして意識もせずヒヌカンとトートーメーの前に居ずまいを正し、そのことを報告し慶事を分かち合う。逆に悲しいことがあったとき、苦境に陥ったときにも、同じようにヒヌカンとトートーメーの前に座し … 続きを読む
三大民間信仰の一つ
台所の壁にはられた「火の用心」の沖縄版と考えられては大いに困る。 火の神さまと考える人もいるようだが、「fire」(火)ではなく、「sun」(太陽)である。 太陽神こそ「火の神」のもとの姿であり、沖縄の家庭でまつられている「ヒヌカン」は太陽神の化身ということになる。 チィタチ・ジュウグニチ(旧暦の1日と15日)には、家庭の主婦はヒヌカンの拝みを欠かさないが、おりおりの行事のさいにも、何をさておいてもヒヌカンに手を合わすことを忘れない。 「ミーマンティ ウタビミソーリ ウートートゥー」という、ひび … 続きを読む
参考書籍:家庭でつくる 沖縄行事料理とふるまい料理 絵でみる 御願365日