前田の権現 その1

「キッチャキ石」(つまずき石)とよばれる霊石を権現としてまつり、旅御願や健康祈願にご利益があるとして人びとが信仰を寄せているのが浦添市前田集落にある「前田の権現」である。 セメントで四方を塗り固め、小さなのぞき穴の開いているという珍しいつくりの祠の中に霊石をまつり、二基のウコールが安置されている。また、二基の石灯ろうが建ち、そのうちの左側の灯ろうの正面には「奉寄進・嘉利二拾庚戌・吉日」と「佐久田親雲上守祥」の銘が刻まれており、時代を知る重要な手がかりを残している。 〔次回 3月16日|前田の権現 … 続きを読む

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ギィスの寺(ティラ) その2

『琉球国由来記』の中にその所在が記録されている権現社の一つで、その昔から霊験あらたかだということで、むら人にも尊崇されてきたという。 中城近隣に所在するほかの権現社、すなわち「渡口のティラ」・「安里のティラ」・「津覇のティラ」が今なお多くの人びとに尊拝されているのに比べると、忘れ去られてしまったようだ。それでも、子孫繁栄と家族の健康祈願に訪れる人がいるようで、参拝者の残した線香などを見ることができる。 由緒ある権現社の一つであり、たいせつに保存したいものである。 なお、首里城から中城グスクの正門 … 続きを読む

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ギィスの寺(ティラ) その1

現在、中城公園入口となっている入場料発見所より北の曲輪、西の曲輪を通り抜けて正門わきを経て、さらに旧道(復元工事中)を進むと、廃墟となったコンクリート建造物のあるところに至る。 廃墟を通り過ぎ、左右に点在する古墳墓群の中をしばらく行くと、左手の草むらの中にセメント造りの階段が森の中腹にむかってのびているのが目に留まる。注意しないとうっかり通り過ぎてしまう。 階段の先に、ポッカリと穴の開いた小さな洞くつがあり、前面にウコールが安置されている。添石むら(現中城村添石)のマス島袋の先祖が、霊石を洞くつ … 続きを読む

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津覇のティラ

津覇集落(中城村)では、子が生まれると「ヤンネー」(ヤシネー、養い)の神として信仰されている。 縁起では、「海に浮かんでいた霊石を権現として宮をつくり祀ったのが始まり」だとされている。 以来、人びとの信仰を集め、現在でも旧暦の正月2日の「初ウクシ」、9月9日の「十二支廻り」、12月24日の「御願解ち」には住民による拝みがおこなわれている。 なお、津覇村には補陀落僧の建てた「糸蒲寺」があったことでも知られている。補陀落とは、南インドの海岸にあって、観音の住む霊地とされる伝説の山のことである。 〔次 … 続きを読む

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安里のティラ

安里集落(中城村)にひろがる畑地の中央付近に、こじんまりとした森があり、樹木の陰に見えかくれするように赤がわらをのせた民家風の社殿がある。社殿の中には、ウチカケを着せたおおぶりの砂岩4体が霊石として祀られている。 往昔より、子安や子孫繁栄に霊験あらたかだとして人びとが信仰をよせている「安里のティラ」である。 縁起は、「漁師がうたたねをしていると、夢の中で神託をうけた。土中に埋まっている霊石を掘り出せば病も癒え、願いは何でも叶うという。さっそく土中から掘り出した三体の霊石と、妻が見つけた海中に浮か … 続きを読む

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渡口のティラ

石づくりの堂の祠の頂きに丸味を帯びた宝珠をのせた渡口のティラは、地元で「ボージャーフトゥチ」と呼称されて、古くから人びとの信仰を集めている。 特に結婚して2、3年経っても子宝に恵まれない夫婦にとっては、「子授け」に霊験あらたかだということで、全島より祈願に訪れているようだ。 一方では、「ヤシネーウヤ」として信仰する人も多く、1歳未満の子の健康とすこやかな成長を願って訪れる祈願者の姿も多く見られる。 祠の中に4体の砂岩が霊石として祀られているが、いずれも霊験あらたかで祈願の目的によって霊石を特定し … 続きを読む

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南風原のハマサチヌティラ その2

普天間権現としてのクサイとしての機能も有しているわけだから当然のこと、ここハマサチヌティラから普天間権現へウトゥシする人もいれば、先に普天間権現を参拝してからここのビジュルに祈願する人もいる。 旧暦の2月と8月にはノロを司祭者とする村落祭祀があり、区民の健康と子授け祈願が開催されている。 個人的に祈願する場合は、酒と花米、丸味を帯びた果物の盛り合わせをおそなえし、はじめに「イナグシー」(むかって右側)を拝し、ついで「イキガシー」(左側)に祈願するのがならわしとなっているようだ。なお、線香はタヒラ … 続きを読む

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南風原のハマサチヌティラ

「浜崎の寺」という漢字をあてていることからも分かるように、勝連南風原集落の海岸近くにある。 切石を積みあげて壁面として、セメント塗りの屋根をかぶせた堂々とした石づくりの祠、手入れのゆきとどいた前庭を有し、拝所然とした趣を感じさせる。 拝所は石はしらによって二つに仕切られており、むかって右側が「イナグシー」(女シー)、左側が「イキガシー」(男シー)とよばれており、それぞれに二基ずつウコールが配されている。内部には、普天間権現のクサイ(対をなすもの)といわれている複数の石体(ビジュル)がまつられてい … 続きを読む

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部間権現

縁起や由緒が全く不明のまま人びとの信仰を集めているのが名護市安和にある「部間(ブーマ)権現」である。 唯一、手がかりとして認められているのが鳥居をくぐった先の参道に建ち並ぶ石燈籠である。その中に「道光30年」(1850年)の銘の入ったものがあり、その頃に祠堂が建てられたと考えられている。 拝殿横から神殿につながり、その背後は柵で囲まれた洞くつ(鍾乳洞)となっている。洞くつ内の鍾乳石が霊石とされ、ご神体となっている。 神殿にむかって右側に「御天十二支ヌ神」、中央に「御天七神」、左側に「阿弥陀如来」 … 続きを読む

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その他の権現 垣内グンジン その2

ご神体と見られるような石体(霊石)は見られないが、沖縄には人骨も権現とする考え方があり、子孫繁栄や健康祈願に霊験あらたかだとして人びとが信仰をよせてきたようだ。 『琉球國由来記』という本の中に、農村でも権現がまつられ、それに参詣する習俗があったことが記されているが、ここ垣内グンジンはその典型をなすのであろう。また、石(霊石)はもちろんのこと、「人骨」もご神体として信仰の対象となっている事例は少なくない。 現在、山川集落では「シーミー」(清明祭)などで拝みがおこなわれているが、各島各地からの参詣者 … 続きを読む

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