ユタのもつ異能

ユタグトゥのほとんどが死後の世界、沖縄人の言うところの「グソー」(後生・あの世)が存在するということが前提となって成り立っている。それだから、死後の世界を否定しては「ユタグトゥ」そのものが成立しないということになる。 私たちが漠然と頭の中に思い描く死後の世界を、あたかも見てきたかのように、あるいは体現してきたようにリアルに描写して見せる能力をもつのがユタともいえる。ユタの異能ともいえよう。  大きなアクビ(ユタによってバリエーションがある)が合図でもあるかのように、祖先の霊あるいは死者の霊がユタ … 続きを読む

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選日による吉日と凶日

古くから伝わる日えらびの方法で、六曜がカレンダーで簡単に確認できるようになる以前は、庶民の間にもっとも浸透していたとされている。 1】天赦に地(てんしゃび)…大吉 この日は天が罪を赦す日とされ、障害のおきる心配がなくすべてに大吉とされる。事業の開始や開店などに大吉で、棟上にもよく、特に婚姻関係にもっとも良日とされている。 2】天一天上(てんいちてんじょう)…吉  陰陽道でいう方角の神が「天一神」(てんいちじん)である。定まった日に天から下りて八方に移動するといわれ、この神のいる方角を「塞り」(ふ … 続きを読む

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六曜の吉凶

もっとも手軽に、もっともポピュラーに利用されているのがカレンダーには必ず掲載されている「六曜」である。 あらかじめ約束された通り、2012年の1月1日(旧暦)は先勝から始まっている。以下、順送りに六曜がくり返されるってわけだ。この原理を知ってしまうと、いささか興ざめしてしまうが、それでも吉凶の日えらびには今日でも多くの人が利用している。 たとえば、めでたいことは大安を選び、仏滅は仏事以外はすべて凶と判断しているわけだ。 本サイトでもこちらで吉凶の日選びができるページを提供している。 ●先勝……午 … 続きを読む

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第18回 九星図にみる吉方位と凶方位

現在、もっとも手軽な日えらびに利用されているのがカレンダーについている「六曜」(ろくよう)である。 六曜といわれてもピンとこない人が多いと思うが「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」とくれば、ああそのことかと誰しも得心がいくと思う。六曜が暦などに載せられるようになったのは明治以降のことだとされているが、以来、もっともポピュラーな日えらびとして利用されている。 いちいちの解説は次回に譲る。ただ留意しておきたいのは、六曜があたかも何か特別の組み合わせによって成り立っていると誤解されていることだろう。 … 続きを読む

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第17回 九星図にみる吉方位と凶方位

方位の基本である東・西・南・北の4方位に東南・南西・西北・北東の4すみとまん中を加えて九つの区画に分けたのが「九方位」である。 その九方位に色の名まえをつけたのが、運勢暦などでよく目にする方位吉凶盤の「九星図」である。色は一白から九紫までで、それだから星とは全く関係がないともいえる。 九星は毎年、毎月、毎日と、ある決まった順序で各方位へと移動する。従って年方位の吉凶は「年盤」で、月方位の吉凶に「月盤」で、日方位の吉凶は「日盤」でみることになる。 自分の生まれ星は(九星)は、九星早見表で確認するこ … 続きを読む

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第16回 暦による吉方位と凶方位 その2

●八将神 5)歳破神(さいはじん) 方角を司る凶神。太歳神の反対の方位に存在する。2012年は辰年だからその反対の戌の方角に歳破神が存在することになる。だから、自分の住んでいる場所から戌の方角での土木工事や移転はよくないということになる。 6)歳殺神(さいせつじん) 大将軍の親戚だとされる凶神である。この方角への移転、旅行は凶ということになる。ただし、歳殺神が存在するのは未・辰・丑・戌の四方位のみとされているが、来年の辰年は未の方位ということになり、歳殺神が存在することになる。 7)黄幡神(おう … 続きを読む

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第15回 暦による吉方位と凶方位 その1

陰陽道で暦の吉凶を司る八つの神さまのことを「八将神」(はちしょうじん)という。  八将神はその年の干支によって存在する場所を変えていくとされていることから、干支によって吉方位と凶方位が変化することになる。それだから、今年は吉方位であっても必ずしも来年も吉方位となるとは限らないということだ。 ●八将神 1)太歳神(たいさいじん)  方角を司る吉神。その年の干支と同じ方位に存在するとされている。  今年は、卯年だから卯の方角に太歳神がいることになる。来年(2012年)は辰の方角ということになる。 2 … 続きを読む

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第14回 墓の向き

家の向き以上に神経を使ったのが墓の向きである。墓の向きを決める際に、もっとも重要視されたのが墓主と干支とのかかわりである。 墓主の干支と同じ方角に墓の向きを取ってはいけないということだ。 墓主の干支とつぎにくる干支の間を「フシアナ」といい、フシアナに墓の方位を取ることは絶対さけるべきだとされている。 (左下図-クリックで拡大) さらに、墓の向きが十二方位の中心に当たってはいけないとされている。それだから干支と干支の間に向くように方角を決めなければいけないということになる。 その他にも、御嶽・アシ … 続きを読む

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第13回目 家の向き

古くから沖縄では、背後が高く前の方が低くなっている地形は、屋敷地としてよいとされてきた。 このことは風水上からも、屋敷の背後から前方向へと「気」が流れるので屋敷の条件としてはよいとされているようだ。 家の向きは言うまでもないことだが、伝統的な「吉方位」を基本として十二方位の中心に当たる方角はさけたようである。 かみくだいて言えば、午(南)の方位を基本としながらも、その中心に当たらないように巳(南南東)あるいは未(南南西)の方角に少しずらして家の向きをとるということだ。 また、ジョウ(門)とトート … 続きを読む

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第12回目 沖縄の伝統的な吉方位と凶方位

かつての中山王宮であった浦添グスクから見て「辰(たつ)の方位」の洋上に、聖地とされる「久高島」がある。 そして、同じ「巳(み)の方位」には、これまた聖地とされる「与那古(ヨナグ)浜」がある。 両聖地ともにかつての王権祭祀の祭場として知られ、現在の沖縄人にとってもなじみ深いところである。 私たちの祖先は、この二つの聖地のある「辰巳(たつみ)の方位」をニライ・カナイの神いますところとして「吉方位」と考え、それとは反対の「戌亥(いぬい)の方位」を「凶方位」としたのである。 人びとに豊穣をもたらしてくれ … 続きを読む

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